ご挨拶

 

 役員選考委員会での推薦を受けて,平成28年5月21日に開催されました理事会において,第34代会長に再任され,会長の仕事をお引き受けすることになりました.これまでにも増して本会の改革と活性化に取組む所存でありますので,会員の皆様の絶大なるご支援・ご協力をよろしくお願い申しあげます.

 ご承知のように,本会は昭和7年に石川登喜治先生を初代会長に日本鋳物協会として設立されて以来,80有余年にわたり鋳造に関する学問と技術の発展に大きく貢献してまいりました.また本会は,会員の8割以上が産業界に籍を置かれていることでもわかるように,設立以来,産官学が連携してその運営にあたってきております.したがいまして,既に策定されています第二次長期ビジョンをしっかり継承して新たに発展させることが肝要であると思っております.

 さて,去る平成28年5月21日から25日まで,「第72回世界鋳物会議(WFC2016)」を,ポートメッセなごやで開催いたしました.本会議は,第1回目が大正12年パリで開催されて以来,鋳物に関する技術情報や技術動向の交流の場として,世界中の鋳造技術者の技術の向上に大きく貢献をしてきています.我が国では,第34回が昭和43年に京都市,第57回が平成2年に大阪市で開催され,今回の名古屋市での開催が3回目となりました.経済産業省,愛知県,名古屋市,日本鋳造協会,素形材センターの後援を得て,日本,韓国,中国,ドイツなど31の国と地域からおよそ1000人の参加と,特別講演,招待講演,技術講演,ポスターセッションとして208件の発表がありました.技術講演に加えて展示会,工場見学会,懇親会なども開催しました.特に展示会は,世界から140社以上が集結し,最新の技術・製品が紹介され過去最大規模の展示となりました.鋳物製品は,自動車,産業機械,工作機械など多くの工業製品に使用されています.とりわけ,鋳物の50%以上が自動車用として使用されており,鋳物は自動車産業と密接な関係を持って成長してきた産業であります.自動車産業が集積している名古屋で本大会が開催されたことは極めて意義深いものと考えます. 我が国鋳造業界をとりまく環境は,今後とも極めて厳しいものであることが予想されますが,この厳しい状況下においても新技術・新製品の開発にたゆまぬ努力を続けている姿を紹介することができたことは,大いに意義のあることと確信をしています.今回の開催によって,鋳物に関する産官学連携の強化と国際交流の大きな進展をみることができました.ご協力いただいた関係各位に厚く御礼申しあげます.

WFC2016後の本会の当面する課題は,会員増強,技術伝承・発展と人材育成にあると考えています.今回の新体制の発足にあたり,執行部で手分けをして各支部のご意見を拝聴させていただきました.その中での意見に会誌「鋳造工学」への注文が多くありました.これまで,編集委員会を中心として会員のニーズに立った会誌に変貌を遂げつつあることは十分にご理解いただけることと思います.会誌は会員との接点であり,最も重要な情報を提供するものであります.また,研究者,技術者にとっては自身の成果を世に問う大切なフィールドであります.「日本のものづくり力」を世界に発信する場として,また「日本発の最新技術」を大いにアピールする場として,編集委員会でこの動きをさらに加速させて行くことにいたします.

また,「研究・技術開発」と「人材育成」では.これまでに多くの企業で材料,ものづくりの重要性を再評価・再認識していることもあって.そのための体制を新たに整備し直していると聞いています.大学などの教育・研究機関もこれに向けて素早い対応が取れたら言うことはないのですが,残念ながら未だそこまではいっていません.逆に考えると鋳物研究にとっては絶好のチャンスかもしれません.これまでに,戦略的基盤技術高度化研究(いわゆるサポイン)で,多くのプロジェクトが実施され,基盤技術として鋳物の技術の高度化が図られてきたことも事実であると思います.したがって,これからの鋳物づくりは,これまでの技術の延長線上に留まることなく,その技術を俯瞰した付加価値の高い製品を開発し,国際競争力のあるオンリーワンの鋳物づくりを可能とする研究・技術開発を積極的に推進する必要があります.

 このような研究・技術開発を推進させるためには,それに関わる「人材育成」がこれまでにも増して必要であります.幸いにも鋳造分野では,平成17年にスタートした「中核人材育成事業」(経済産業省)が,平成19年からは日本鋳造協会が主体となって本会が連携している「鋳造カレッジ」に発展し,将来の鋳物産業を支える鋳造技士が日本全国で600名を超えることになりました.大変ありがたいことにこの多くの鋳造技士の皆さんが本会に入会していただいております.これまでに,全国講演大会で鋳造技士の皆さんのセッションを設けて発表を奨励するなどの方策を試みてきました.平成26年度からは,さらに高見の教育を受け技術を深めたいとの要望を受けて,日本鋳造協会,素形材センター,経済産業省の協力を得て,「鋳造カレッジ・上級コース」を開講しまた.さらに策定したカリキュラムの検証をしっかり行い,次に向けた準備を整えてまいります.

  名古屋で開催されたWFC2016では150名を越えるYoung Researcherの参加がありました.大変うれしいことでもあり,鋳物の将来に光明を見た思いであります.会長就任にあたり現状の問題認識と取るべき方策の一端を述べさせていただきました.その根底にあることは,本会が会員の皆様にとっていかに魅力のある学会であるか,そのために何をなすべきか,ということに尽きると考えています.鋳造業のさらなる発展のため,皆様と一緒に取組んでまいりたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします.

 

公益社団法人 日本鋳造工学会
会長  木口 昭二

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