Vol.89 No.12 東北支部YFEの活動紹介

今年は9月29~10月2日にかけて,全国講演大会が秋田県にて開催されました.今回は,その関連行事として開催されたYFEこども鋳物教室についてご紹介いたします.

今回のこども鋳物教室は,全国講演大会が秋田県で開催されるということで,規模の拡大を図り,秋田市自然科学学習館との共催で開催しました.開催期間は秋田市自然科学学習館が主催するサイエンスフェスティバルに合わせて7月16日(日),17日(月・祝)の2日間とし,

図1 鋳型作製の様子

秋田駅に隣接する秋田拠点センターALVEという非常にアクセスが良い会場で開催することができました(図1).また,両日とも午前・午後の2部構成で,小学生以上を対象に各部定員を60名に設定しました.例年,本県では秋田県産業技術センターを会場に定員20名程の鋳物教室を開催していますが,今回の鋳物教室はその12倍の規模になります.開催の1ヶ月ほど前に秋田市内の小学校に対し教育委員会を通してチラシを配布したり,秋田拠点センターALVEや秋田県産業技術センターのHPなどでイベント紹介ページを設けたりして,こども鋳物教室のPRを行いました.

 

図2 注湯現場の様子

 鋳物教室では,プレートに立体シールを使ってイニシャル等を飾り付けてもらい,これを原型にして鋳型を作製し,オリジナルストラップを作ってもらいました.当日は会場準備と並行して,鋳物教室の開始1時間前から整理券を配布しました.この整理券番号を使ってグループ分けを行ったため,スムーズに鋳物教室を開始することができました.鋳型作りは,各グループに2名程振り分けたスタッフに指導してもらいました.この際,枠や原型のプレートは3Dプリンタで作製したものを使用したので,最新の科学技術にも触れてもらう良い機会になったと感じています.

その後,鋳型が完成した参加者から,順次屋外の注湯スペースに移動してもらいスズを注湯しました.初めて溶けた金属を目にするという参加者が多く,注湯作業を食い入るように見つめる子供が多数見受けられました(図2).

図3 パネル展示の様子

初日の様子が地元紙に取り上げられたことで,2日目はさらに多くの方々に参加いただきました.天気が悪かったため集客を心配していましたが, 2日間で合計265名という目標を大きく超える方々に参加してもらい,盛況のうちに終了することができました.暑い中駆けつけていただいた東北YFE会員の方々には,この場を借りて厚くお礼申し上げます. 

 

今回のこども鋳物教室の様子は,全国講演大会中にパネル展示でも紹介させていただきました(図3).今後もYFE活動を通し,子供たちの鋳造技術への関心を向上させ,鋳造工学会・鋳造業界の発展に寄与できるよう努めて参ります.

連絡先

(公社)日本鋳造工学会 東北支部YFE
 黒沢 憲吾
 〒010-1623 秋田県産業技術センター 
        素形材プロセス開発部
 TEL:018-862-3414 FAX:018-865-3949
 E-mail:kurosawa-k(a)rdc.pref.akita.jp *(a)を@に変えてください.

こども鋳物教室スタッフ