Vol.93No.9 東北支部YFEの活動紹介

今回は,東海支部YFEにおける2020年度の活動について報告いたします.

 

 東北支部YFEの活動は,東北支部夏期鋳造講座におけるYFE会員の講演,将来の鋳造技術者育成を目的としたこども手作り鋳物教室,YFE会員相互の交流を目的としたYFE大会を軸に活動を進めてまいりました.しかし,新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け,夏期鋳造講座の中止や各種イベントの中止が余儀なくされ,活動も縮小せざるを得ない状況となっております.そのような中でも,高校生を対象とした「ものづくりプロジェクト」と「オンラインによる第28回東北支部YFE大会」を開催することができましたので報告いたします.

○ものづくりプロジェクト(2020年9月11日)
 秋田県産業技術センターにて秋田県の高校生5名を対象に3DCAD,3Dプリンタを活用して模型,鋳型を製作し,オリジナルベーゴマづくりを行いました.
 はじめに,秋田県の産業やデジタルエンジニアリングの概論について座学を行い,その後,実際に3Dプリンタで作製した鋳造用樹脂模型を鋳型としてベーゴマと箸置きを錫合金で製作しました.
 受講者の皆さんからは,実際の3Dプリンタを活用して,鋳型の設計から鋳造までの一連の流れを体験することでものづくりの大変さ,楽しさ,難しさを体験できる良い機会になったとの感想もありました.

 

図1 ものづくりプロジェクトの様子

 

○第28回東北支部YFE大会(2021年3月19日)
 東北支部YFEは,東北6県が毎年,持ち回りでの開催が恒例となっており,1泊2日の日程で講演会,情報交流会,工場見学会を開催して参りました.しかし,2020年度は,新型コロナウィルス感染拡大防止の観点からZoomによるオンライン開催となりました.
 開催にあたり,参加者各自でのオンライン参加の他,十分な感染対策を取った上で,各県にオンライン特別会場を設けて講演会及び情報交換を行いました.オンラインでの開催にも関わらず50名を超える会員の参加がありました.
 今年度は,現場で活躍する女性技術者にスポットをあて,5件の講演を頂きました.内容は,鋳物砂の基盤技術に関する講演,鋳鉄の溶解工程や技術開発の事例そして若手技術者の育成に関する講演と幅広く,発表後には,活発な意見交換が交わされ,中には,「女性技術者のご活躍を拝聴し,励みになった」,「今後の自社内における人材育成の参考になった」などの感想もありました.
 また,講演会終了後には,参加者それぞれの自己紹介や講演会では聞けなかった質問及び感想などを自由に発言していただくことでより深い交流会が開催でき,有意義な大会となりました.
 今年度も新型コロナウィルス感染の影響を鑑みながらの活動とはなりますが,東北支部YFEの活動により若手技術者の育成と交流の機会を保ちたいと思います.

図2 オンラインによるYFE大会の開催

 

 

 

連絡先

(公社)日本鋳造工学会 東北支部YFE
(地独)岩手県工業技術センター
素形材プロセス技術部  石清水康二
〒020-0857 岩手県盛岡市北飯岡2-4-25
TEL:019-635-1115
E-Mail:iwashimizu(at)pref.iwate.jp
*(at)を@に変えて送信ください.