本コースの歴史

https://www.mat.ehime-u.ac.jp/course_guide/index.html
本コースの歴史は古く、そのルーツは愛媛大学創立の昭和24年(1949年)5月にまでさかのぼります。
このとき、工学部では機械工学科、電気工学科、鉱山工学科に加えて、冶金学科が設立されました。これは瀬戸内海沿岸を中心に、多くの鉱山(例えば、愛媛県別子銅山)や鉄鋼所、非鉄金属製・精錬所や工業地帯が存在していることに関連しています。そののち冶金学科は、金属工学科、材料工学科と改称と改組を経て、平成8年に機能材料工学科が発足しました。中四国地区の国立大学のなかで、冶金・金属分野から発展してきた唯一の物質・材料系学科です。そして、平成31年4月、工学部が工学科(1学科制)に改組されたことに伴って、工学科内の1つのコースとして「材料デザイン工学コース」が誕生しました。
かつては材料と言えば金属のことを意味していましたが、現在の材料とは金属のみならず、セラミックスやガラスなどの無機材料や有機・高分子材料を含む幅広い物質を意味しています。本コースにおいても、金属のみならず多様な機能材料(半導体、透明導電体、超伝導体、フォトニクス材料、太陽電池、生体・医用材料、磁性材料、高感度センサ材料など)の研究と教育を行っています。

材料デザイン工学とは

“新しい材料を探す旅へ!”

材料はすべてを支える大地のようなものです。培われた肥沃な大地には実りが多いでしょう。材料は常に新しい時代を切り拓いてきました。先端分野や未踏分野のいずれにおいても新しい材料が必要となります。材料の歴史は長く、関連する学問分野が多様であり、その面白さや奥深さを理解できるようになるには少し時間がかかるかもしれません。まず「材料デザイン工学」(Materials Design Engineering)の全体像(アウトライン)を理解し、それから自分が興味を持った材料の分野にじっくりと深化しましょう。

これまでの材料工学は、材料が原子、イオン、電子から構成されていることを理解し、作られた材料がどのような応用に使われるのかを考えていくものでした。しかし、これからの材料デザイン工学は、新しい応用を見据えて、その応用を実現するために「最適な材料とは何か?」を考え、デザイン思考に基づき効率よく、革新的な材料を開発していくことになります。そのときに闇雲に試行錯誤を繰り返すのではありません。