公益社団法人日本鋳造工学会 中国四国支部..

ご挨拶

 2023年4月の支部総会にて、日本鋳造工学会中国四国支部第37期支部長を拝命致しました。

 昭和27年に当支部が設立し、71年もの伝統ある組織を率いていくのに非常に重圧を感じておりますが、鋳造産業に希望の未来を届けられる様に、一生懸命取組む所存です。

 さて、当支部のある中国四国地方、特に岡山県の吉備地区は鋳造のルーツである「たたら」の起源と言われており、その後、全国的に広がり、今でも島根県奥出雲地区は伝承継承の場としても有名です。

 中国地方は、近年まで国内の鉄の半分以上を生産し、モノづくりの中心的な役割を果たしてきました。そんな歴史を持つ支部であるからこそ、鋳造工学発展のために真摯に向き合いたいと思っています。

 近年、日本の鋳造産業を取り巻く環境は温室効果ガス排出をゼロにするカーボンニュートラルに向け、大きなプロセス変革を求められています。また、自動車業界のCASE対応、特に電動化の加速により、鋳造部品の大幅減少が予測され、鋳造部品の用途開発や部品開発も求められています。一方では少子高齢化が加速しており、これからの主役となる、若者の理系離れも加わり、鋳造産業から益々、優秀な人財が遠ざかっていく状況になっています。さらに追い打ちをかけているのが3年にも及んだコロナ禍による、経済活動の鈍化です。

 しかしそんな環境下にも拘らず、産・官・学がそれぞれの立場で地道に研究・開発をして頂いております。また、鋳造の基盤技術だけでなく、個々の技術を効率的に組み合わせた技術確立も進めて頂いているのも事実です。但し、上記課題にあります様に、将来に求められる技術は非常に目標が高く、難易度が高まっています。そのため、これら課題解決には一大学内、一企業内だけの研究では到底無理な事で、共同研究、さらには業界の枠を超えた、まさにオールジャパンでの取り組みが必要と考えております。そのためにも日本鋳造工学会がその一助となり、発展に貢献していきたいと考えております。さらに、日本の鋳造技術・技能のレベルアップに貢献したい、若手を育てる事も積極的に行いたいと思っています。今後の明るい日本の未来のために一緒に汗をかき、一緒に共感する支部にしていきたいと考えています。

 今後ともお気軽にお声掛け頂き、一緒にチャレンジしていきたいと思います。どうかよろしくお願い致します。

2023年5月就任
公益社団法人 日本鋳造工学会中国四国支部
支部長 中尾 和浩

 

35-36期(2019-2022)ご挨拶 松木一弘支部長
34期(2017-2018)ご挨拶 九十九徹支部長
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