研究委員会 軽合金部会(常設)

“アルミニウム合金鋳物の熱処理に付随する諸現象の統一的理解”の委員公募

(公社)日本鋳造工学会 研究委員長 菅野利猛

自動車に代表される輸送機器の軽量化が益々重要視される中で、アルミニウム合金鋳物ならびにダイカストを各種強度部材へ適用する事例が増えています。高強度化や高靭性化を目指してきたこれまでの研究・開発動向から、それらの安定性、寸法や形状の更なる高精度化などへと、関心事にも徐々に変化が見られるようです。加えて、高延性に特化した新規材料開発など、使用される合金種別も多種・多様化することが予想されています。

本研究部会では直近2期の活動を通じて、AC4CH合金を主体とするAl-Si-Mg系合金鋳物のミクロ組織と強度特性に及ぼす溶体化処理と時効処理の影響を系統的に検討し、数々の有意な成果を報告してきました。一方で、上述した研究・開発動向の変化や新規材料開発への期待などを勘案すると、溶体化や時効処理に関連して検討すべき各種現象の中でも、検討が十分とは言えない案件が散見されます。例えば、T6処理だけでなくT4処理やT5処理に伴う諸現象の検証、焼入れに伴う残留応力やひずみの統一的評価法やそれらの低減方法の確立、さらには使用中に生じる永久成長の評価法や抑制法の確立などです。加えて、新規分析・評価方法の導入により、熱処理にかかわる各種現象を異なる視点から捉え直すことを通じて、新たな知見が得られる可能性も挙げられます。

そこで次期の本研究部会では、溶体化と時効処理に関連する様々な現象をターゲットとしつつ、過去の検討が十分とは言えない案件について系統的に検討を行うことを目指した研究を行います。本研究部会に所属する委員各位からの意見を集約する中で、実施する具体的な検討内容を選定する予定ですので、当該分野にご興味のある方は、是非、ご参加下さいますようお待ちしております。

  • 研究活動期間:平成28年1月から3年間
  • 構成委員数 :約25名
  • 部会長   :中山 栄浩(山梨大学)

〒400-8511 山梨県甲府市武田 4-3-11 山梨大学大学院総合研究部

      ☎,Fax.055-220-8424      mail: nakayama@yamanashi.ac.jp

ご参加を希望される方は、当学会気付または新部会長中山栄浩宛に平成27年12月31日までにお申し込み下さい。なお本部会に所属する委員は、その運営上、経費の一部負担、部会での共同実験および研究報告などの義務を負って頂くことになります。また、委員の構成数には制限がありますので、あらかじめご承知おき下さい。