公益社団法人日本鋳造工学会|Japan Foundry Engineering Society

水沢

水沢

南部鉄器の一つである水沢鋳物の歴史は,平安時代後期に藤原清衡が江刺郡豊田館(現在の江刺区)に近江国(滋賀県)から鋳物師団を招いたのが始まりだと言われています.豊田館周辺は砂鉄,北上山系の金,銀,銅,鉄資源に恵まれ,良質の川砂,粘土,木炭が得やすく,北上川舟運の便利なこともあり鋳造地として選ばれたものと見られています.やがて清衡が平泉に居を移すも,鋳造適地は北上川河道の移行影響を受けて,現在地の北上川中洲微高地,田茂山地帯に一大鋳物師集落が形成され,現在の水沢鋳物にその伝統が受け継がれているということです.

ジャンボ鉄瓶(水沢江刺駅)

水沢江刺駅前にあるジャンボ鉄瓶は,高さ4.65m,重さ1.8tで日本一のサイズです.この鉄瓶の容量はなんと6,500L.一度に75,000人分ものお茶がいれられるとのことです.しかし,どうやって注いだらよいでしょうか……?

【JR水沢江刺駅前 ジャンボ鉄瓶】

 奥州市水沢区羽田町駅前一丁目 

  • 問い合わせ:奥州市商工観光課TEL 0197-24-2111
  • 見学自由

③奥州市伝統産業館(キューポラの館)

 水沢の代表的な地場産業「南部鉄器」に関する資料を多数展示.館内には古今の秀作鋳物の展示や明治初期の工場を忠実に再現したコーナーの他,大型スクリーンによる現在の鋳物制作の工程などが紹介されています.

 鉄瓶や風鈴といった鋳物の代表作品や置物など,様々な商品の販売も行っています.

[展示室の様子]
  1. 入口の前には大砲が展示されている
  2. 鉄瓶の注ぎ口やつまみなどの原型
  3. 当時の鋳造作業の様子がよくわかるような展示が工夫されている
  4. 今から70~80年前のこしきとたたらを再現
  5. 鉄瓶の鋳型を作る工程が順を追って理解できるように並べられている

奥州市伝統産業会館 キューポラの館

〒023-0104  奥州市水沢区羽田町駅前1-109
TEL 0197-23-3333

  • 開館時間:9:00~17:00
  • 入館料 :一般200円,高校生以下無料

 

④羽田郵便局

水沢江刺駅に近い羽田郵便局.一見,普通の郵便局のようですが……よく見ると,ポストの上に鉄瓶がちょこんと乗っています.こんなところにも鋳物の街を感じさせるスポットがありました.

⑤水沢鋳物歴史公園

伊達先代本藩のお抱え鋳物師で名工として名高いほねじ家鋳物師の及川重右衛門の功績を顕彰するものとして,その屋敷跡地を公園として整備したものです.道路に面した細長い公園で,坂本流大筒の説明や,甑の出土炉片が展示されています.

⑥鋳物工場のある町並み

水沢地区には大小さまざまな鋳物工場,南部鉄器の工房などが点在しています.奥州市鋳物技術交流センターにほど近いこの一角は鋳物工場が集まり,工場のある町並みを形成しています.

 

⑦奥州市鋳物技術交流センター

鋳物関連企業の発展を図るため,奥州市が整備したセンターです.鋳造に関わる各種設備を備え,岩手大学鋳造技術研究センター水沢サテライト,水沢鋳物工業協同組合との連携のもと,鋳物の研究,開発,試験,教育などに幅広く利用されています.

 

⑧JR水沢駅ホームの風鈴

JR水沢駅では,毎年6月~8月,ホームにたくさんの風鈴がつるされます.短冊にはさまざまなメッセージがかかれていて,風が吹くと南部鉄の涼やかな風鈴の音色が人々を癒してくれます.昭和38年から続く水沢の夏の風物詩です.

 

 

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