鋳造では、材料の鉄などを溶解して取鍋に移し、準備した鋳型に注ぎ込みます。
この作業を注湯と言います。銑鉄ならばおよそ1500度近い溶湯を注ぎ込むことになります。
近年の自動造型量産ラインでは、自動注湯機が多く導入されるようになりました。
日本の産学連携で開発されたのが、次に紹介する自動注湯機です。以下メーカー藤和電機のサイトから部分引用でご紹介。
自動注湯機
https://www.fujiwa-e.co.jp/original.html
最新の藤和電気の自動注湯装置は、既存の取鍋を活用し、現在の注湯作業をそのまま自動化します。 最新の藤和電気の自動注湯装置は、 VN制御システムと、 ロードセルによる自動制御システムと、ティーチングシステムによって注湯制御します。 特に取鍋を3軸で制御する VN制御システムが、既存の取鍋での自動注湯を可能にしました。 自動注湯装置の動画はこちら ≪←クリックで動画がダウンロードできます≫ |
自動注湯機FVNシリーズ
特徴
省エネ/熟練者の注湯作業を自動化 ・熟練者の注湯作業をそのまま自動化 |
コストダウン/湯こぼれ・不良率低減 ・湯こぼれ低減 |
コンパクトで低コスト/本体設置と試運転が短期間 ・コンパクト設計で既存の造型ラインにも組み込み容易 |
レアアースを節約 接種材を注湯流に直接、必要量接種でき、接種材が節約できる。 |
自動注湯機FVN型を支える制御技術
VN制御 ─既存取鍋で熟練者の注湯作業を自動化 取鍋の傾動・上下・前後の3軸を同時にサーボモータでコントロールし、注湯流線を一定に制御します。 |
ティーチングシステム ―熟練者の注湯作業を自動化
鋳込み速度の初期設定は初回のみ操作者が行います。その鋳込状態が適切であれば、ティーチング登録し、以後同一パターンへの鋳込みはティーチングした最適鋳込みプログラムでの注湯を繰り返します。 |
制振制御 ―高速鋳込み作業を実現
自動注湯機や溶湯搬送では、取鍋内の溶湯液面が波打つため、搬送、注湯作業の高速化や、鋳込み精度の向上を阻害してきました。こうした液面の波打ちを抑制するのが制振制御です。 |
ウェイングシステム ―高精度な鋳込み重量を実現
ロードセルにより取鍋内の溶湯重量の変化を測定し、製品毎に設定した鋳込み重量で湯切を行います。また、ロードセルの計測値を統計処理することで分解能を高め、計測速度をより高精度なものにしています。 |
以下省略
大物鋳物の電気炉溶解と注湯作業
大物鋳物では、電気炉から大きな取鍋に湯を出湯し、その取鍋をクレーンを使って位置合わせし、出湯する湯の流れの高さを微調整しながら取鍋の回転で注湯を行います。
鋳型の受け口には、大きめの受け口を設置し、静かにしかし大量の湯を短時間で流し込む、失敗の許されない勇壮な作業です。
動画でその例をみてください。
友鉄工業(広島県) 鋳鉄鋳物の製造過程、注湯です!! 鉄を溶かし液体にした溶湯を型に流し込んでいます!! 工場のリアルな音を感じられる動画
https://www.youtube.com/watch?v=c_HaKzfEin8
株式会社東邦鋳造所 アルミの溶解と注湯作業 床に置かれた砂型へ柄杓で手注湯。
https://www.youtube.com/watch?v=2Q-zOdUqwVY