明治時代以前は、鉄や銅などの鋳造は材料の成分の知識も分析もできず、溶解の温度制御もむずかしく、伝統と経験で継承・伝承された職人の経験と勘の世界、なので失敗も多く不良品を意味する「おしゃか」は、鋳造の世界から生まれたと。
現代の鋳造は、金属学や鋳造工学の成果で、目的の品物に必要な成分を知ることができ、材料成分が分析データで提供され、溶解条件は電気炉で制御でき、溶湯の成分もその場で採取されたサンプルが物理分析で即時に分析できて、作業者に伝えられる。
銑鉄鋳物や銅合金鋳物では、外形を作る砂型が、自動造型やフラン樹脂などによる自動硬化する方法で造られる。中子は寸法精度が高いシェル中子として提供され、造型場で入れ込まれる。
ヨシワ工業のHP 鋳物ができるまで から、そのイメージをご紹介
自動制御されるキュポラや電気炉で溶解し、工場内を循環する砂を自動造型機利用して型を作り、自動注湯機で鋳込み、冷却した鋳物は自動的にラインから出てきて仕上げ工程・検査工程を経て製品に。
人が行うのは、機械の運転や監視、銑鉄の溶解や注湯の監視や管理、製品の品質確認など、昔の重筋労働や暑熱・粉塵環境での作業はなくなりました。
ダイカスト
アルミ鋳造では、鉄などで造られる金型へ流し込むダイカストで、高い寸法精度と表面品質の大量の自動車部品や家庭で使われる部品が作られる。
現代の最新設備では、ほとんどの工程は設備とロボットが行い、人が行うのは品質管理や設備管理だけ。
動画で紹介:光軽金属の アルミダイカスト2250トン鋳造機(動画56秒)
精密鋳造(ロストワックスなど)
精密鋳造では、モデルの外形をそのままセラミックの型に作って、あらゆる金属の溶湯を流し込める。航空機の部品など複雑形状で特殊材料のものの多くがこの方法で製造されています。
動画で紹介:エミダス ロストワックス(43秒)
製造現場の環境も、砂粉塵の世界から、暑熱粉塵環境が昔の話になり始めてる。
科学と金属学と機械電気電子工学が融合して、職人の仕事からハイテクを利用した製造になってきた。
鉄くずや銅くずなどが、溶解することで金属の原点に戻り、冷却固化するなかで元の金属が晶出し、温度変化の中で異なる結晶が析出してくる、究極のリサイクル利用技術。
プラスチックスなどが、産廃にしかならないのに、真に地球にやさしい技術ですね。