どんなに近代化・機械化が進んでも、人が食べるものは農業や漁業が届ける自然が作る食べ物です。
農業は、電線のない広い農地で、固い大地を耕し、種を播き、育て、肥料や農薬や水を施し、実ったものの収穫を行います。
ウクライナの広大な農地での現代農業 写真は arabnews記事より引用
戦前・戦後しばらくは、岡山県の農業では、牛が犂(すき)を引く方法で田畑を耕し、戦後の食糧危機をしのぐために岡山県庁が食糧増産のために犂の刃先の量産を銑鉄鋳物業者に頼み、材料調達にも尽力するということがありました(岡山県鋳造工業協同組合の「岡山の鋳物」より)。
図は、奥州市のHPに紹介された牛が引く犂(すき)
戦前の日本農業の代表的農具 米食文化研究所資料より引用
その後、農業機械の改善・進歩により、現代では人力や牛馬に代わってトラクターなどの農業機械が普及しています。
広い田畑で働く農業機械は、そのエネルギーを内燃機関で発生させ、大きな力を生む油圧に変えて、耕す・田植え・収穫・草刈り・土の運搬などの大きな力と多数の人手による重労働だった農作業を行ってくれる機械です。
トラクターに使われる鋳物部品の代表が、エンジン部品や油圧部品で、エンジン本体や各種ミッションと駆動系部品、油圧ポンプ・バルブ・油圧シリンダ・油圧モーター・直進走行制御部品など、数多くの種類の鋳物部品が使われています。
クボタのHPより、その特徴や農業機械の主要3種(耕すトラクタ・植える田植え機・収穫のコンバイン)と、その中でも代表ともいえるトラクターを部分引用でご紹介。
農業の基本的な作業は、「耕す」、「植える」、「収穫する」と大まかに分類できます。人類は太古から全ての農作業を人や家畜の力のみで行ってきましたが、蒸気機関や内燃機関の発明により、今では様々な農業機械が、農作業の省力化・効率化に貢献しています。
稲作を例に挙げると、米作りの土台となる重要な田んぼを耕す際に活躍するのがトラクタ。均一かつ正確に苗を植えることができる田植え機。効率的に稲を収穫することができるコンバイン。これらの農業機械は、稲作において欠かせない存在であり、同時に機械の性能が作物の品質や収穫量に直結する要素のひとつになります。
農地を耕し、種を播き、収穫する。農作業の万能選手 トラクタ
作物を育てるのに重要な要素のひとつが畑や田んぼの土壌づくり。この作業に欠かせないのがトラクタです。トラクタは土を耕す「ロータリ」をはじめとするインプルメントと呼ばれる多種多様な作業機械を接続することで、耕うん、肥料・農薬・種の散布、草刈り、収穫した物を運搬するなど、さまざまな作業ができる農作業の万能選手。トラクタは農作業の中でも、負荷が非常にかかる作業を担うので、強力なエンジンを搭載し、その力をフルに発揮させる装置を装備しています。