鋳造は、金属溶解に大きなエネルギーを必要とします。エネルギー源には電力が最も使いやすく、コークス溶解よりCO2排出量も少ない。
 太陽光など再生可能エネは産業や生活に必要な安定電源にはなりにくいため 原発の再開・新設が必要と言われています。

 原発では福島事故などで放射線の人体への影響が懸念されるので調べたところ、低線量放射線は人体に有益という下記の講演がありましたので、引用でご紹介。
 この講演は、2023.11.28日本鋳造協会中国四国支部の講演会(@岡山市)で行われました。

 一方、健康被害面では、放射線の影響はDNA損傷でガンになる確率問題だそうで、喫煙の害は放射線では1000-2000mSvレベル(国立がんセンター)なのに対して、福島の年間数十mSvレベルは問題にもならないと。
 DNA損傷した細胞が死ななくなると免疫細胞が処理するが、免疫機能が追いつかなくなるとガンが増え始める。高齢化すると免疫機能が低下し発がん増加は自然な現象だと。放射線の健康被害については、東大医学部の中川先生が2012年に福島放射線恐怖の風評を論評した下記の動画が役に立ちます。
 正しい放射線・放射能・被ばくに関する対応とは (講演 youtube約1.5時間)

※健康な細胞は、定期的に死んで再生され人体組織は平均3か月?で一巡するそうです。
  ネット>筋肉 :早い細胞は1ヶ月で約60%、遅い細胞は約200日で全て入れ替わる。 皮膚 :約1ヶ月で全て入れ替わる。 血液 :4.5~5.0リットルの血液は100~120日間で全て入れ替わる。 骨 :幼児期は約1年半、成長期は約2年未満、成人は約2年半、70歳以上は約3年で全て入れ替わる。

三朝温泉・ラドン温泉の効用、放射線の人体影響

 岡山大学学術研究院保健学域片岡准教授のラドン温泉の効果・放射線の人体影響の講演は、岡山大学病院旧三朝医療センターでのラドン温泉療法に関連した研究紹介で、日本の家屋内のラドン(半減期4日弱)濃度では通常17ベクレル/大気m3程度で、三朝ラドン高濃度熱気浴室(旧三朝医療センター)ではその100倍程度。それを吸入すると疼痛緩和に効果ありと

 マウスでの実験で効果のプロセスはラドンからでるアルファ線(ヘリウムの原子核)による被ばくで抗酸化物質が体内で増加することが好影響と。

 


 三朝温泉の20倍の40,000ベクレルもあるというオーストリアのバドガスタイン金鉱山の坑道では鉱山労働者は病気が治ったことがきっかけで、今は治療目的で坑道に入り大気中のラドンを吸うラドン浴を行う人も多いと。

 人の老化は、呼吸により取り込まれる酸素の体内代謝で発生する活性酸素が主原因で、人はそれを無毒化する抗酸化物質を作って対抗するレベルが動物界では最高クラスでそれが人類長寿命の原因と。放射線照射はその産生を増やす効果があると。

 常識的には放射線はどんなに微量でも有害と思われていたが、適量なら健康に有益な影響があるのだと。

 

講演者の片岡隆浩准教授は、2022年日本アイソトープ協会奨励賞を受賞
  授賞理由:低線量放射線による抗酸化機能の亢進と酸化ストレス関連疾患の抑制

 


感想:オーストリアの鉱山の坑道での40,000ベクレル/m3のラドンの呼吸が健康には有益との話を聞き、福島の処理水の海への放流で希釈されリッター当たり数ベクレルのトリチウムが健康に有害などありえないと確信できました。
 この研究や他の高線量地域の疫学データの報告や放射線医学の報告などを総合すると、放射線はどんなに少なくとも有害であるとの現在の国連などの「閾値なし仮説」は、天動説並みの大間違いに思えます。
 通常、生物の現象は、ほとんどのことが「過剰は有害だが、一定値以下なら有益か無害」。塩1Kgは致死量だが1gは調味料で必要。ストレスも同様と。なぜこんな大間違いが起こったのか?疑問です。
 

 

補足:人体の細胞約60兆個は、平均毎日150分の1が計画的に細胞膜が維持された状態で断片化して死んで、体内のマクロファージや周囲の細胞が吸収し、新しい細胞が細胞分裂でほぼ同数誕生すると。こうした計画的にプログラムされた形で死ぬ細胞の動きをアポトーシスという。一方、やけどなどの壊死では細胞膜が薄くなり破れて中のものが飛び出し炎症を起こすことをネクローシスというそうです。

図は、https://m-hub.jp/biology/4434/321から引用でご紹介。