大物鋳物では、太い堰を切断する場合などではプラズマ切断機が使用されることがあります。
プラズマは、原子が高い電場にさらされてイオンと電子に分離し高温(約25,000℃)になったものです。
鉄の沸点は約2,860°Cで、この温度で気化(蒸発)します。プラズマに接触しその高温により溶融しさらには気化することも考えられます。

プラズマの発生原理や、その応用ともいえる原子核融合もご紹介。

プラズマの発生原理

プラズマを発生させる方法

ネット解説: プラズマ生成  プラズマ切断機は、まずプラズマガス(通常は圧縮空気、酸素、窒素、またはアルゴンなど)を高電圧電極と接地ワークピースの間に導きます。
 高電圧が印加されることで、ガスが電離してプラズマ状態になります。 プラズマは非常に高温(約25,000℃)となり、金属を迅速に溶かすことが可能です。

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国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構の 核融合JT60の解説では
https://www.qst.go.jp/site/jt60/5248.html
 プラズマを発生させる方法の1つに、気体の放電現象を利用する方法があります。核融合プラズマの原料は水素ガスで通常は絶縁体ですが、これに強い電場をかけると絶縁が破壊されてガスが電子とイオンに解離してプラズマが生成します(ネオンサインや積乱雲の雷を思い浮かべて下さい)

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プラズマを生成するために高電圧の強い交流電流が用いられるため、強い電磁波や高周波電流電圧が発生し外部に漏れると電気障害を発生させ、近隣の電気機器や電気回線に重大な支障を発生させることがあります。また、プラズマ切断機のCNC(コンピュータ制御機器)に異常を発生させることもあり、その防止対策が必要になります。

動作原理と切断範囲

ARTIZONO社の解説HPから部分引用

プラズマ切断機は、圧縮空気を作動ガスとして使用し、高温高速プラズマアークを熱源として、切断される金属を部分的に溶融(蒸発)させる。同時に、溶けた金属は高速気流によって吹き飛ばされ、狭い切断シームが形成される。

プラズマ切断機は、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、鋳鉄、炭素鋼など、さまざまな金属材料の切断に使用できます。
プラズマ切断は、切断速度が速く、切断継ぎ目が狭く、刃先が滑らかで、熱影響部が小さく、ワークの変形が少なく、操作が簡単なだけでなく、省エネ効果も大きい。
プラズマ切断機は、様々な機械や金属構造物の製造、設置、メンテナンスにおける切断、穴あけ、パッチング、面取り、その他の切断工程に適している。

(1) プラズマ切断機 切断電流
 電流の大きさは被切断物の材質と厚さに関係する。切断電流は、切断片の厚さとともに増加する。

(2) 切断速度
 切断速度は、切断する材料の厚みと切断電流によって決まります。切断速度は切断の質に大きく影響します。切断速度が速すぎると、プラズマアークが金属を溶かす時間が足りなくなります。

(3) ノズルの高さ
 切断される部品からのノズルの高さは、トーチの構造に関連しており、一般的には金属表面から2~4mmである。

(4) 作動ガス
 プラズマ切断の発展により、現在では作動ガス(作動ガスはプラズマアークの伝導媒体であり、熱媒体であり、また切断中の溶融金属を除去する)の使用が可能になっている。これはプラズマアークの切断特性、切断品質と切断速度に大きく影響します。
 一般的に使用されるプラズマアーク作動ガスには、アルゴン、水素、窒素、酸素、空気、蒸気、および特定の混合ガスがあります。

(5) ガス流量
 アーク圧縮の度合いと溶融金属の吹き飛ばし効果に影響する。
 流量が多すぎると、アークが不安定になる傾向がある。
 風量が小さすぎると、溶融金属を吹き飛ばすことができず、導電性ノズルを焼く可能性もある。

カッティング・トーチ:
 1) プラズマ発生装置、伝導ノズル、導電性電極、ガス分配器、セラミックス、ノズル。
 2) 切断ガス – 空気プラズマアーク切断の切断ガスとして圧縮空気が使用される。
 3) 選択仕様 – これには、切断電流、切断速度、ガス流量、パラメータが含まれる。

プラズマ切断機のアークの安定性は、切断品質に直接影響します。プラズマアークの不安定性は、ノズルと電極の頻繁な交換とともに、切断エッジの不均一、欠陥の蓄積、制御システムの関連部品の寿命低下につながります。以下に、一般的な現象の分析と解決策を示します:

以下省略(かなり詳細な説明が続きます)