ブラジルのレアアース資源開発で、日経記事「レアアース、調達の秘策はブラジルにあり 日本政府系が採掘で覚書がでたので、調べてみた。

Gemini の回答

ブラジルのレアアース資源について、現在の世界的な立ち位置から主要プロジェクト、今後の展望まで詳細に解説します。

2026年現在、ブラジルは世界第2位のレアアース埋蔵量を誇りながら、生産量ではまだ初期段階にある「眠れる巨人」といえる状態です。しかし、脱中国依存(デリスキング)の流れを受け、急速に開発が加速しています。


1. 埋蔵量と生産の現状

ブラジルは、中国に次ぐ世界有数のレアアース資源国です。

  • 埋蔵量: 約2,100万トン(世界全体の約15〜20%を占め、中国の約4,400万トンに次ぐ世界第2位)。

  • 生産量: 長らく低迷していましたが、2024年以降、新規プロジェクトの稼働により増加に転じています。2025年の輸出額は前年比で約3.7倍に急増しました。

  • 特徴: ブラジルの資源は「イオン吸着型鉱床」や「リン酸塩岩」の副産物として存在することが多く、特に重レアアース(ジスプロシウム、テルビウムなど)の供給源として期待されています。


2. 主要なプロジェクトと企業

現在、ブラジル国内では複数の戦略的プロジェクトが進展しています。

セーラ・ヴェルデ(Serra Verde)プロジェクト

ゴイアス州に位置する、現在ブラジルで最も重要なプロジェクトです。

  • 特徴: 中国以外では非常に珍しい大型のイオン吸着型鉱床

  • 現状: 2024年に商業生産を開始。2027年までに年間約6,500トンのレアアース酸化物の生産を目指しています。

  • 重要性: 電気自動車(EV)や風力発電の磁石に不可欠な「重レアアース」を供給できるため、欧米諸国から高い関心を集めています。

ウベルラバ(Uberlaba)プロジェクト(Rainbow Rare Earths)

ミナスジェライス州でのリン酸塩肥料生産の副産物からレアアースを回収する計画です。

  • 最新動向: 2026年3月、約2億7,900万ドルの投資が承認されました。

  • 利点: すでに採掘された廃棄物(石膏スタック)から抽出するため、新規採掘に比べて環境負荷が低く、コスト競争力があります。

アラクシャ(Araxá)のニオブ・レアアース

 世界最大のニオブ生産者であるCBMM社が、ニオブ採掘の際の副産物としてレアアースの回収・精製を強化しています。


3. ブラジルの強みと課題

強み

  • 資源の質: イオン吸着型鉱床は、岩石型に比べて採掘・加工が容易で、放射性物質(トリウムなど)の混入が少ない傾向にあります。

  • 地政学的価値: 中国が供給網を独占する中、G7諸国にとって「信頼できる供給先」としての価値が高まっています。

課題

  • 加工技術の不足: 採掘(上流)は可能でも、分離・精製(中流)の技術はまだ中国に依存しています。国内に完全なサプライチェーンを構築するには、あと10〜20年はかかると予測されています。

  • 環境と先住民問題: 開発地域での森林破壊や先住民居住地との境界争いが課題となっており、一部のプロジェクトでは法的な遅延が発生しています。


4. 今後の展望(2026年〜2030年)

ブラジル政府は、単なる資源輸出拠点ではなく「テクノロジー大国」への転換を目指しています。

  1. 分離施設の国内建設: 原鉱石の輸出だけでなく、高付加価値な「酸化物」への分離施設を国内に建設する動きが加速しています。

  2. 対中輸出の継続: 依然として輸出の多くは中国向けですが、バイデン政権以降の米国や欧州連合(EU)との戦略的提携により、供給先の多角化が進んでいます。

  3. 市場の拡大: 2026年のブラジル・レアアース市場規模は約5,500万ドルと推定され、2032年にかけて年平均10%近い成長が見込まれています。ブラジルのレアアースの採掘・採鉱と輸出はまだ始まったばかり。2024年はわずか20トンほどだったと。今後世界各国の対中国対策の採掘投資拡大で劇的に増えると予想。

ブラジルのレアアース資源は、今後のクリーンエネルギー革命において、中国の独占を揺るがす最大の鍵を握っていると言えます