鋳造でないと制作困難なものの一つにポンプがある。
消防車には、水槽から水をくみ上げ、加圧して長いホースを通り、空高く放水するための、自動吸い上げ・加圧・送水機能のある消防ポンプが設置されているという。
その構造を、ネットから探したのでご紹介。
いざ探してみると、驚くほど構造が隠蔽されていて、理解できるような図が少ないことが判明した。
そのため、機能別に分解して調べたものを報告する。
1.自動的に水を吸い上げる機構
地上のポンプ車が、水槽から水を吸い上げるには呼び水として水面からポンプまで水が充填されている必要がある。
消防自動車や通常の消火用のポンプは、水面からポンプまでは水がない。
このため、呼び水を入れ込むか、水槽からポンプまで水を吸い上げることが必要になる。
このため消防車などの消防用ポンプには、真空ポンプで空気を排圧し減圧して水を吸い上げる機構がついている。
真空ポンプは、水を吸い上げて水面からポンプまで水が充填し加圧送水が始まったら不要になるので停止できる。
構造
真空ポンプは、主に4翼偏心ロータリー式が使用されている。
ロータは本体に対し偏心して取り付けられているため、本体の内壁とロータおよびベーンで形成される4個の空間がロータの回転によってその容積を変化させ、空気を吸込口から吸入し吐出口から排出することにより、ポンプケーシングおよび吸管内に水を吸い上げる構造となっている。

バルブ例 世田谷消防団第12分団解説図より引用紹介
http://www.syobo12.net/mecha/valve.html


1. 止水弁
ポンプ本体から、真空ポンプへの通路の開閉を自動的に行うための装置で、真空ポンプが作動するとポンプ内が負圧となり、これによりダイヤフラムが吸引されて、通路が開き、吸気が行われ、吸水完了(ポンプに水が充満し水圧が上がった時点)と同時に水の圧力により、止水弁が押し上げられて閉となる。
2. 逆止弁
止水弁と真空ポンプの間に設けられ、ポンプの水圧が低くなり、止水弁を圧着させる力が弱くなると、真空ポンプ側に空気が逆流して落水するのを防ぎ(逆止弁B)、また、逆止弁Aからは真空ポンプ内に残った水が排水される。
真空ポンプを作動することにより、通路内が負圧になり逆止弁Aが引き上げられる。
逆止弁Aが密着することにより、逆止弁Bが引き上げられる。
逆止弁Bが引き上げられ、負圧の影響がダイヤフラムに及び、止水弁を開き さらに負圧の作用により、吸管から水を吸い上げる。
水を吸い上げ真空ポンプの排出側から水が出たところで(ポンプ本体内にも水が上がったことになるので)真空ポンプの操作を終了する。
真空ポンプが止まることによって、負圧が生じなくなり逆止弁A・B 及び止水弁が元の位置に戻り、落水を防ぐ。
2.加圧送水する「うず巻きポンプ」の原理
1)「うず巻きポンプ」の原理
ポンプ内に水を満たし、羽根車を回転させると、遠心力により水は羽根車の外側へ向かい、うず巻室を経由してポンプ外へ吐出される。
羽根車を出るとき、水の有するエネルギーは、一部が圧力エネルギーで、一部が速度エネルギーである。
速度エネルギーは摩擦損失が大きいため、うず巻室で圧力エネルギーに変換される。消防ポンプのように吐出圧力が高くなると、羽根車出口の流速も大きくなるため、うず巻室だけで速度エネルギーを圧力エネルギーに変換できなくなる。
このため、消防ポンプの場合は、羽根車とうず巻室の間に案内羽根を設け、効率的にエネルギー変換を行うタービンポンプを採用しています。

2) 単段ポンプと多段ポンプ
うず巻ポンプの吐出圧力は、羽根車出口における周速度と大きく関係し、吐出圧力を高めるためには、羽根車外径を大きくするか、回転数を高くするかの方法があるが、羽根車外径を大きくするとポンプ全体も大きくなり、回転数を高くするのはエンジン側に制約がある。
このため、高い吐出圧力が必要なときには、羽根車の数(段数)を複数にした形式のポンプが使われる。これは複数のポンプを直列に接続して、一体型にしたものと考えればよく、1段目の羽根車を出た水が、2段目の羽根車に入り、さらに次の段に入り、順次圧力が高められていく形式のポンプである。 羽根車が1段のものを単段ポンプ、2段以上のものを多段ポンプといいます。


消防ポンプ車のポンプ解説例 世田谷消防団第12分団HP
消防ポンプの構造
■消防ポンプの構成
消防ポンプを自然水利から使用する場合は、真空ポンプと(止水弁と逆止弁)が無いと消防ポンプとしての役割を果たす事が出来ません。
なぜ必要なのか、その理由と構造を説明してまいります。
※消火栓を水利とする場合は、真空ポンプは使いません。

それぞれの部分が見やすいようにカバーをはずしてあります。


