下記記載の中国のレアアース鉱山からの採掘法と問題点指摘をAIに評価してもらったところ、科学的に正確だという。
AIの回答:地層を化学的に処理するため、以下の科学的制約が生じます。
- 地下水汚染の制御: 溶液が地下水脈に入ると広範囲な公害を引き起こすため、遮水層がある場所や、管理可能な傾斜地に限られます。
- 回収率の限界: 地層全体に均一に溶液を浸透させることは難しく、一度浸透させた場所は化学的に変化するため、「二度目」の採掘は効率が劇的に落ちます。
「容易に抽出できるという利点が、そのまま環境破壊に直結

表は、おのれーさんの元素の周期律と周期表から引用
中国の切り札が消える日。重希土類が5〜10年で枯渇、レアアース覇権は日本へ=勝又壽良
https://www.mag2.com/p/money/1721155
2026年3月20日ニュース
中国が世界の生産シェアの6割を握るレアアース。中でも電気自動車や軍事装備に不可欠な重希土類が、わずか5〜10年で枯渇するという重大事態に直面している。30年以上にわたる乱獲と地層破壊、そして専制体制がもたらした情報隠蔽――その構造的欠陥が、中国が誇った「資源外交の武器」を自ら腐らせた。一方、日本は南鳥島の深海に眠る世界最大級の重希土類鉱床の商業生産を2028年以降に控える。歴史的な「主役交代」が、静かに、しかし確実に近づいている。
(『 勝又壽良の経済時評 』勝又壽良)
【関連】中国、レアアース輸出規制で大誤算。日本が技術力でレアアース供給国に躍り出る=勝又壽良
プロフィール:勝又壽良(かつまた ひさよし)
元『週刊東洋経済』編集長。静岡県出身。横浜市立大学商学部卒。経済学博士。1961年4月、東洋経済新報社編集局入社。週刊東洋経済編集長、取締役編集局長、主幹を経て退社。東海大学教養学部教授、教養学部長を歴任して独立。
中国のレアアース「重希土類」が枯渇する?
中国で現在、予想外の事態が持ち上がっている。中国は、レアアース(希土類)の生産で、世界の6割(精錬で9割)のシェアを握る。このレアアースの中で、最も高価とされる重希土類の国内資源が、5~10年先に枯渇するという重大事態に直面しているのだ。中国は、これまで、この重希土類レアアースを外交の「武器」に使ってきた。その武器が間もなく消えるとなれば、中国の「威圧外交」も姿を消すはずである。世界情勢を揺るがせてきた中国の振る舞いが、静かになるであろう。
鄧小平は、レアアース資源の存在を誇りにしてきた。中国に、石油資源は存在しないが、レアアースは存在すると胸を張った。だが、その誇りとする重希土類が、30年足らずで枯渇とは、中国で何が起っているのか、にわかに注目を集めている。それは、中国で「資源管理」がまったく行われていなかった結果だ。レアアース資源が、無尽蔵と錯覚して「乱獲」したからである。資源は本来、有限である。この分かりきった事実が、目先の利益追求で乱獲されたのである。
もっとハッキリ言えば、レアアースの地層を痛める形で採掘されたのである。この採掘方法は、地層へ酸性溶液を撒くという原始的方法が、環境を破壊しながら長く行われてきた。これによって、未だ採掘されていないレアアース地層を広範に「ダメージ」を与えることになった。「技術的無知」と「短期の利益追求」が重なりあい、こういう事態を招くことになった。技術的な内容は後で取り上げることにする。
失敗した資源管理策
中国の歴史を振り返ると、「資源管理」思想がゼロであることが分かる。現在、月の沙漠のように一木一草も生えていない黄土高原は、かつて鬱蒼とした森林地帯であった。それが、明の時代に入って首都北京の建設や、万里の長城の築造のため大量の森林伐採が行われた。伐採の後には、植林するという発想がなかったのだ。これに対して日本は、江戸時代に幕府直轄地での伐採を固く禁じる布令を出していた。中国と日本では、資源管理の考え方がまったく異なっている。この違いが、現在のレアアース採掘面にもよく現れている。
これから、中国のレアアース「乱獲」の実態をみていくが、鄧小平によって貴重資源とされたものの、採掘現場はまったくの野放図な採掘であった。計画性が、微塵もみられなかったのである。重要な素材であるから資源保存を大事に行う。そういう視点が、まったく欠如していた。レアアースの中でも、重希土類のDy(ジスプロシウム)・Tb(テルビウム)は、電気自動車の駆動モーター、風力発電のタービン、産業用ロボット、ミサイル誘導、航空宇宙といった最先端機器の小型化と高性能化に必要な「永久磁石」の素材である。
中国が現在、日本企業に対して輸出規制を行っているのはDyやTbなどである。日本の軍事化阻止という名目だ。中国が、外交威圧の切り札に使うほど重要なレアアースが現在、どのように採掘されているのか。それは、驚くほど「粗放」であった。
Dy・Tbは、地殻中の存在量が極端に少ないという特色がある。経済的に採掘できる鉱床が、ほぼ中国南部(江西省・広西省など)に集中しており、しかも「イオン吸着型鉱床」という特殊な形態で存在している。それだけに、採掘に当っては慎重の上にも慎重を期すべきものであるが、そういう配慮はまったくゼロであった。
イオン吸着型鉱床とは、花崗岩が風化してできた粘土層の表面にDy・Tbなどの重希土類が「イオンとして吸着」している状態だ。鉱石ではなく、泥に近い柔らかい粘土の表面に薄く張り付いているだけという特殊な状態である。鉱石のように、金属が「粒」として存在するのではない。
イオン吸着型鉱床の採掘では、粘土層に酸性溶液を流し込んで、レアアースを溶かし出す方法だ。問題は、この酸性溶液が地層全体に浸透してしまうので、他の鉱床を傷付けてしまい、その粘土層全体が「死んだ土」になるという大きなリスクを伴っている。つまり、採掘が鉱床そのものを破壊するという、極めて矛盾した結果になる。金属鉱山のように「坑道を掘って鉱石を取り出す」方式ではなく、地層そのものを化学的に溶かしてしまうため、実際の採掘可能面積が限定されるのだ。
専制社会の欠陥暴露
中国では、さらに違法採掘や過剰採掘によって、環境破壊型採掘が30年以上続いたため、 本来は100年持つ鉱床が30年で食いつぶす結果を招くことになった。
これは、中国という国家制度がもたらしたものでもある。専制社会の構造的欠陥は、悪い情報を上げずに隠蔽することだ。悪い情報を報告すると、責任を取らされるからだ。現在、中国の経済統計が「かさ上げされている」と指摘されている。これは、悪いデータを隠している結果だ。
レアアースの違法採掘や過剰採掘も、これと同じ背景で行われてきた。
中国南部のイオン吸着型鉱床の特徴は、すでに指摘したように、粘土の表面にレアアースが薄く吸着しているだけだ。この結果、平均品位が0.05~0.2%と極めて低い。こうして、低品位ゆえに「乱獲」せざるを得なかったのだ。
要約すれば、低品位×脆弱な鉱床が乱獲を招いた。これが同時に、鉱床(地層)の破壊を押し広げた。乱獲が、加速度的は地層破壊を進行させたのである。この裏には、地方政府がGDPのために採掘を煽った面もある。地方政府が、土地売却益を増やすべく不動産バブルを煽ったと同じ構造である。
こうみてくると、レアアース・バブルも不動産バブルも地方政府が深く関わっていたことに注意すべきである。地方政府は、レアアースの採掘量を過少報告し、違法採掘は統計未報告で、中央が実態の深刻さを把握できなかったのだ。こうして、中国工業情報化部(MIIT)が気付いた時はすでに赤信号が灯っており、手遅れ状態になっていた。
ここに貴重なデータがある。グローバル・トレード・アトラスによると、中国のレアアースの輸出価格は2020~24年の間、1キログラムあたり22ドル。ベトナム(60ドル)やタイ(88ドル)に比べ3~4倍も価格競争力がある、とされている。これは、一口にレアアースといっても、高価な重希土類と安価な軽希土類に分けられ、中国は安価な軽希土類の輸出に力点を置いているからだ。ベトナムやタイには、高価な重希土類も含まれているので、平均輸出価格が中国を上回っている。
中国は、重希土類が戦略品であるので、できる限り輸出せずに温存する姿勢をみせている。自国のミサイル・宇宙などの軍事装備に回す方針であろうが、既述の通り国内資源はあと5~10年で枯渇と最悪事態に直面している。東南アジアでは今後、ミャンマー・ベトナム・タイが有力鉱山国となる。ただ、ベトナムやタイは日本の「重点資源国25カ国」に名前を連ねている。日本のレアアース製錬技術(化学的精錬法)を採用して、レアアース製品まで手がける。こうなると、中国は、ミャンマーへと接近するしかないであろう。
歴史的「一手逆転」
現在の中国は、重希土類で日本への輸出規制で圧力を掛けている。だが、これは「噴火口のダンス」である。間もなく始まる中国の重希土類の資源枯渇によって、この構図はまったく意味をなさなくなるからだ。それどころか、日本は南鳥島レアアースという重希土類が豊富な「鉱脈」を確保している。日本のレアアース戦略については後述するとして、これからの中国はどうするのか、だ。
将棋の世界では、「一手逆転」という言葉がある。たった一手で、それまでの流れが完全に変わって、逆転の決め手になることだ。中国が、日本をレアアースで「虐めていたら」、一瞬のうちに「主客」が入れ替わるという、歴史上でも滅多に起こらない現象がこれから始まる。中国のレアアース戦略が限界に達しても、近隣国のベトナム・タイはレアアースで日米側に入っている。レアアース地政学が、2030年代に大きく変わることは今や確実である。こういう状況で、中国は遅ればせながら近隣国対策に乗り出している。
中国とベトナムの両政府は3月16日、ベトナムのハノイで外交・国防・公安当局による閣僚会合「3プラス3」を初めて開催した。国境防衛での協力強化のほか、エネルギーなどを巡る国家安全保障について協議した。中国が、この時点でベトナムへ急接近している裏には、レアアース(重希土類)獲得という「野望」が秘められていることは疑いない。だが、ベトナムは歴史的にみても中国と軍事的対立の歴史を織りなしており、根強い「反中意識」に燃えている。その警戒心が、日本への親近感となった。中国は手遅れなのだ。
中国の重希土類独占が、間もなく崩れる。これと軌を一にして、「日米欧+資源国ブロック」の重要鉱物特恵市場(8月稼働)が機能する。何か、ドラマのように主役が交代することになる。日米は、重希土類の使用を節約する技術(粒界拡散)でも主導権を握っている。中国は、手も足も出ない状況へ追い込まれるであろう。
これは将棋で言えば、中国の攻めが切れて、日本の反撃が一気に通る瞬間が迫っていることだ。まさに、一手逆転の世界がこれから始まるであろう。
腰だめ試算の危険性
日本は、28年以降に南鳥島レアアースの商業生産が始まる。早くも、コスト試算が報道されるようになった。それによると、「1トン1,100万円」で、中国の20倍もする高コストとしている。メディアの記事であるから、これは意外と「一般常識」になる懸念が強い。だが、肝心のレアアースの種類と品位を棚上げした「盲目予測」である。
南鳥島レアアースは、高価な重希土類が豊富とされている。その上、品位が中国の10~20倍とされる。また、精錬は中国の物理的精錬法と違った、日本独自の化学的精錬法である。常温常圧で作業が行われ環境との親和性が高い理想的精錬法である。AI(人工知能)によって、レアアース泥は元素物に分けられて精錬される。労働コストも極めて低いのだ。こういう最新式の精錬法の採用によって、深海6,000メートルの悪条件下の採掘としても、これを相殺するいくつかの好条件が揃っている。
南鳥島レアアースは、泥状態で賦存している。中国のイオン吸着型鉱床は、柔らかい粘土の表面に薄く張り付いている状態だ。まったく賦存状態が異なっている。南鳥島は、深海の泥を船上から下ろしたパイプで軽く掬い上げるシステムである。中国のように、地層を破壊する酸性溶液を使う必要もないのだ。こういう、環境親和性の高い採掘方法の違いを無視したコスト試算が、独り歩きして定着することは危険この上ないであろう。
むろん、コスト計算は重要である。だが、それと同時に見落としてならないのは、日本が経済安全保障で不可欠な戦略物資を自前で調達できることだ。日本が、中国から経済威圧を受けて、レアアースの輸入規制を受けるという屈辱を考えれば、南鳥島レアアースは日本外交推進の上でも大きな力を発揮する。日本が、外交でも誇りを取戻すことになる。
日本が世界の40%
中国は、南鳥島のレアアースが最低1,600万トンの埋蔵量で、しかも重希土類の多いという実態も把握している。中国外交部の記者会見で、この質問が出ると素っ気ない返事をして無関心を装った。「その種の話は、これまでも何回か出てきた」と噂話の類いにして煙に巻いたのである。これを聞いた中国ネット民は、大喜びで「噂」と片付けている。中国が、世界一のレアアース産出国として安堵しているのだ。
このように、レアアースは中国国民の誇りの種になっているほどだが、中国当局は危機感を募らせている。中国工業情報化部は数年前から、重希土類の埋蔵量が急速に減少していると発表している。当時、「重希土類の可採年数は5~15年」としていた。現状では、5~10年後に、重希土類の命脈が尽きるのである。南鳥島レアアースは、偶然にもこの時期に本格的商業生産を始めるので世界の「主役交代」になる。
中国政府は、南鳥島レアアース泥について何らの動きもしていない。公式声明、外交的抗議、国際機関への問題提起などを一切行っていないのだ。南鳥島が、日本の排他的経済水域(EEZ)内であり、中国が口を出す法的根拠がないからだ。尖閣のように争える余地がないため、中国は正面から反対できない立場である。
だが、警戒心は極めて旺盛である。中国の専門家・シンクタンク・業界紙では、南鳥島レアアース泥について次のような論調が見られる。
1)「日本が重希土類の独占を狙っている」
中国の業界紙では、南鳥島の重希土類(特にディスプロシウム・テルビウム)が、「中国の戦略資源に対する挑戦」と位置づけている。
2)「米国が関与するのは中国封じ込めだ」
中国のシンクタンクは、日米協力を「対中包囲網の一環」として分析している。特に、米国の軍需産業・EV・モーター産業が重希土類を必要としているため、南鳥島は米国の戦略資源になると警戒している。
3)「深海採掘は環境破壊だ」と国際世論戦を示唆
中国は直接反対できないため、「環境問題」を使った間接的な牽制を示唆している。国際NGOや国連海洋法関連の議論を利用して、日本の開発を遅らせようと策略を練っている証拠とみられる。
中国は、これまでレアアースを好き勝手な外交の武器として使ってきた。それが、日本による南鳥島レアアースの開発で、「主役交代」だ。中国が、ショックであることは当然であろう。中国からの「苛められっ子」日本が、堂々と主役になる。南鳥島レアアースは、世界レアアース市場で20~40%のシェアを持つと予想されている。中国の独占は完全に崩壊し、日本が世界の「材料覇権国」になることは間違いない。
日本は、南鳥島レアアースを独占せずに「重要鉱物特恵市場」(参加国55ヶ国)へ提供する意思表示をしている。これが、世界のレアアース産出国の共感を呼び、重要鉱物特恵市場が世界のレアアースの最大市場へ発展するとの自信を深めさせている。こうなると、中国はこの特恵市場から取残される結果、一帯一路関係国を中心にした小規模レアアース市場で生残り策を模索することになろう。

