いよいよ待望のナトリウムイオンバッテリーが実用段階に入ったようだ。
エレコムが中国製のモバイル用ナトリウムイオン電池を発売開始した。アマゾンでは、6000円を切る価格での販売だ(2026年4月現在)。
電池としての基本構造は、Liイオンバッテリーと同様だが、リチウムイオンとナトリウムイオンは、電気化学的な性質が近いが、電池内の電流を担うキャリアとしては、原子番号11のNaは原子番号3のLiより原子核の陽子の数が多く原子が大きいことから、電池のサイズが大きくなる。一方で、貴重資源のLiと異なり、Naは地球上には海水など豊富にある。

表は、おのれーさんの元素の周期律と周期表から引用

電池としての特徴は、

  • 驚異的な長寿命: 充放電サイクルが約5,000回と非常に多く、一般的なリチウムイオン電池(約500回)の約10倍の寿命があります。期間に換算すると約13年間の使用が想定されています
  • 耐温性能: リチウムイオン電池が苦手とする極低温(-30度C)から高温(60度C)まで、幅広い温度範囲で使用可能です。
  • 安全性: 熱暴走のリスクが低く、釘刺し試験などでも発火しにくい高い安全性を備えています。

このため、航空機内にも持ち込み可能になっているそうです。

 

ナトリウムイオン電池脚光 エレコムなど開発、発火リスク低く

日経 2026/3/31付[有料会員限定]より抜粋引用紹介
ナトリウムイオン電池のバッテリー製品が市場に。エレコムがモバイルバッテリーを発売したほか、中国のブルーティパワー(広東省深圳市)はキャンプなどで使えるポータブル電源を展開する。リチウムイオン電池の発火事故などが相次ぎ、専門家は「消費者が安全性の高さを重視するようになった」と話す。

エレコムは2025年にナトリウムイオン電池のモバイルバッテリーを発売

リチウムイオン電池は強い衝撃や、高温下使用で発火事故につながるケースがある。
消防庁によるとリチウムイオン電池を搭載した製品による火災件数は、24年に982件と22年から約6割増えた。

ナトリウムイオン電池は化学的な安定性に優れ、発火や爆発につながりにくいのが特徴だ。
寿命も長くリチウムイオン電池は300~500回の充放電サイクルで劣化するのに対し、5000回程度使えるという。

中国のブルーティパワーは25年10月にナトリウムイオン電池を使ったポータブル電源「Pioneer Na」を発売
1月からは日本でも販売を始めた。Pioneer Naは充電時はマイナス15度、放電時はマイナス25度の低温環境でも安定という。

一般的なポータブル電源は充電時でマイナス10度、放電時でマイナス20度と制限される。

原材料の持続可能性でも注目される。
ナトリウムイオン電池はリチウムやコバルトなどのレアメタル(希少金属)をあまり使わない。
(※電極の一部にレアメタルを使うケースもあるようだ)
ナトリウムの原料は塩湖や海水などから容易に採れる。

課題も残る。
ナトリウムイオン電池はエネルギー密度の低さゆえ、同じ容量のリチウムイオン電池と比べ、体積が大きくなる。
現在は、価格も高いという。

ニッセイ基礎研究所の久我尚子上席研究員は「バッテリー電源はこれまで低価格かつ大容量・小型であることが重視されてきた。

多少高価でも安心できる製品を求める消費者は増加傾向にある」と指摘する。

(岡村真帆)