鋳造現場では様々な電気機器を利用しているため、電流計測が必要になることがあります。

電流計測には大きく3つの方法があります。

1.電線を切って直接テスターに接続して計測(実際には使われない)
2.本流に分流を作り分流の大きい抵抗両端の電圧を測定し電圧と抵抗値から電流を計算し、本流の抵抗値から電流を計算(常設型・電力損失発生)
3.電流が流れる電線を計測器(クランプメーター)で挟みこんで、電流が作る電磁誘導を利用して電流を計算

3の方法の電流計測解説サイトに多いロの字型の変圧器モデルでは、クランプ型の測定器と形が異なりイメージが混乱します。

そこで、電線に流れる電流を電線をはさみ込む実際の測定計器の形で解説してくれるサイトから部分引用でご紹介

測定原理: 電線に流れる交流電流で電線の周囲に造られる誘導磁束を電線を挟む円形鉄心に取り込み、円形鉄心に巻いたコイルで誘導電圧に変換し、流れる誘導2次電流を半導体で整流して直流に変換し、それを計測するコイルに流して発生する磁界で発生する力を「ばね」などを利用して計測。まさにマクスウェルとローレンツの電磁力学と半導体と機械工学の総動員!

日置電機株式会社の電流測定解説サイト 
https://www.hioki.co.jp/jp/products/listUse/?category=39
基本原理と構造は、この図をみるだけでイメージが解ります。
さらに詳細説明があります。必要な方はサイトを訪問してください。

電流センサーの原理と技術情報

電流センサーの原理、特徴および用途を解説します。電流センサーは、基本技術として、CT (Current transformer) を用いています。それぞれの用途に合わせて、巻線方式、ホール素子方式、ロゴスキーコイル方式、ゼロフラックス方式といった各電流検知方式を駆使して、高性能な電流センサーを実現しています。それぞれの特徴を理解し、用途に合った電流センサーを選定してください。

00. 電流センサーの動作原理別分類

電流センサーの動作原理別分類 一覧

01. 電流センサー(汎用)の測定原理・用途・特徴

比較表 (特徴・用途) 

  巻線方式(AC) ホール素子方式(DC/AC) ロゴスキーコイル方式(AC)
原理図
特徴

・電源不要(電流検出部)
・交流(AC)のみで、直流(DC)は測定できない。
注:交流電流でクランプのコイルに誘導磁束と誘導電圧が発生。誘導電圧の測定は、内部抵抗のある交流電圧計の端子間に流れる交流電流を整流した直流をコイルに流して発生する磁界の力をバネで表示。

・直流から交流(数kHz)まで測定可能。
・ホール素子の直線性、磁気コアのB-H 特性の影響により、一般的に精度は良くない。
・ホール素子の特性により、温度や経時変化などの要因でドリフトするので、長期の測定に向いていない。
・磁気コアが無いため、磁気飽和せずに大電流を測定可能。
・磁気損失による発熱、飽和、ヒステリシスがない(周波数ディレーティングの影響が小さい)。
・センサ部が空芯コイルのため、フレキシブルに細くできる。
・挿入インピーダンスが小さい(測定回路への影響が小さい)。
・交流(AC)のみで直流(DC)は測定できない。
・ノイズの影響を受けやすく、高精度測定には向いていない。
用途 ・50 Hz/60 Hz クランプ電力計用(汎用)
・各種産業用途における省エネ管理など、商用周波数の電流・電力モニタリング
・DC, 50 Hz/60 Hz 電力計用(汎用)
・乗用車、トラック、バス、フォークリフトなどの輸送機器のバッテリー出力モニタリング。
・各種産業機器における電源設備の定期点検、電源品質の監視、消費電力の把握
・AC 電力計, 波形観測用(フレキシブル, 大電流)
・各種産業機器における電源設備(バスバー)に流れる数千A程度の大電流測定、定期点検、電源品質の監視、消費電力測定

他の解説サイトでは、
お勧めは一般社団法人日本電気計測器工業会の 3-1-1 クランプ電流計
 https://www.jemima.or.jp/tech/3-01-01.html