これまでの鋳造の現場で働く人は、作業する職人さんと、金属学者と機械屋さんのイメージでした。
しかし現実には、鋳造は金属の溶解に使うため大電力利用し、工場の大型の機械を動かす大きなモーターや、環境維持のための大型集塵機など皆電気で動くものばかり。
現代の工場には、IoTが普及し工場内にはデータ収集のための電子機器や、LAN配線(光ケーブル・導線ケーブル)やWifi基地があるけどこれらも電気・電子機器。
なので、鋳造の現場は、電気・電子の知識が必須!
電気は、目に見えないのでとっつきにくいけど、マクスウェルという人が考え方・取り扱いを簡単な4つの式にまとめてくれた。
→ マクスウェル方程式 (電磁気学・電磁力学)
電磁の理解には、ベクトル計算と微分・積分の考え方が使える。数学って解ると簡潔で便利だよ。
微分=細かく分けて、それぞれの性質を調べる
偏微分=x、y、z軸方向だけの変化分を調べる
積分=分けたものを合計する
面積分・線積分=面を貫くベクトルや線に沿ったベクトルなどを合計する
ベクトルの内積=ベクトルAとベクトルBの長さと作る角度のcosの積のスカラー量(片方のベクトルと同じ方向成分同士の積で、面積分の考え方では「大きさが微小面積で面に垂直な方向のベクトルとその部分の流れのベクトルの積」は流出分を表す)
ベクトルの外積=ベクトルAとベクトルBが作る面に直角で、それぞれの長さと作る角度のsinの積の大きさのベクトルC(電磁誘導と力関係の右手・左手の法則そのまま)
複素数・極座標=回転現象(交流・波)の説明に超便利。回転角度が指数の足し算・引き算で表現でき、位相の理解や説明が簡単にできる。
電磁気学の基本
- 電流は、回転(渦)磁界をつくる(右ねじの法則 親指=電流の向き 他の指=回転磁界)。
- 磁界の変化は、変化を妨げる回転(渦)電界をつくる(誘導電流)
※磁界の減少が作る回転電界=磁界を増やす(コイルに流れる)電流方向と同じ - 磁界の中を動く電気は進行方向に直角の力を受ける
(ローレンツ力 その大きさと方向は、ベクトルの外積 F=qvB 右手の法則)。
電気の性質
- 電気にはプラスとマイナスがある。同じ電気は反発し、異なる電気は引っ張り合う。
※1クーロンの電気が1m離れ引っ張り合う力は900トン! - 電気を貯めるコンデンサーは、貯める電気量の単位には、マイクロ(10の―6乗)やピコ(10の―9乗)などの小さい電気容量のものが使われる。
電気回路の素子
- 電源 電気を作る源の電圧を発生させる
- 抵抗 発熱する 電流流れると電圧が発生する
- コンデンサー 電気を貯める。直流は通さないが、交流電流は通す、位相を進める効果がある。
- コイル 直流は通すが、交流電流は通しにくい(電磁誘導で電気を通さない方向の起電力発生)
- スイッチ 回路を開閉する
- 導体 回路をつなぐ(抵抗なしと仮想)
- アンテナ 短い導線の中央に交流電圧をかけ周期的に入れ替わる電気双極子を作ると電磁波を発信/受信する。
- モーター 磁界の中に電流を通しローレンツ力で力(回転運動)に変える装置
- 発電機 磁界の中にコイルを回して電磁誘導で電圧を生み出す装置
電磁波
お互いに直角な電界と磁界の波が電磁誘導の交互作用で電磁波となり、直角方向に光速で進む。原子核反応で出てくるガンマ線・レントゲンのx線・紫外線・可視光線・衛星通信・テレビ電波・ラジオ電波・電子レンジのマイクロ波・Wifiなど全て電磁波。身の回りに充満しています。