電磁気を学ぶと、導体の中は同電位で、電界は進入できず電磁波も遮断すると。なので金属ではCTは無理かなと思っていました。
岡山県が開催したものつくり見本市 OTEX( おかやまテクノロジー展2023)で、金属製品の内部立体画像ができるとの展示があり、その説明では、現在ではアルミ製品であまり大きくなければCT画像ができるので、鉄製品でもX線の出力が大きければ可能ではないかと。
その説明が、下記。
OTEXでの 株式会社島津製作所 ブース(On Line)
「すぐに誰にでも」をコンセプトにした卓上型X線CTシステムで鋳物や樹脂成型品、アルミダイカストや電子基板など、他にも様々な物質の内部構造を3D画像化します。表層からは見えない欠陥や部品不具合を非破壊で観察し原因を究明します。
※このブース閲覧には OTEX2023への登録・ログインが必要。
そこで、同社サイト掲載機器を調べたら、下記2機種がありました。既に金属用・部品用X線CTスキャン装置が実用化されていました。
同社サイトから引用でご紹介。
XSeeker 8000
卓上型 160 kVの高出力X線発生装置を搭載し,X線透過しにくい肉厚な樹脂部品やアルミダイカスト部品をはじめとする金属部品の観察も可能です。同X線出力クラス最小・最軽量のため設置する場所を選びません。
inspeXio SMX-225CT FPD HR Plus
複合材料(GFRP,CFRTP)から大型アルミダイカスト製品まで,1台であらゆるワークの研究・開発・検査に対応
なるほど、人体のX線CTスキャン同様のことが、金属製品などにも使えるようになり始めたようです。
そこで、そのような金属のCT画像をネットで公開している事例を探してみましたのでご紹介。
株式会社エヌエスエス(NSS) https://nssndt.com/company/
X線CTスキャン受託サービス
非破壊評価・三次元計測・3Dデータ化
リバースエンジニアリング
航空・宇宙業界で20年以上のX線CT運用実績、国内最大級サイズのサンプル撮影が可能
大型~小型部品のミクロンレベルでの内部評価,断面画像や3Dデータ出力など
業界随一のスキルを持つ非破壊評価エンジニアによる,多彩なサービスを提供します
小型エンジン(バイク)
アルミ鋳物・ダイカストの鋳巣評価、部品アッシィ状態の確認
アルミ鋳物・ダイカストに含まれる鋳巣の評価を高速かつ三次元的に行いたいが、浸透探傷試験や埋め込み研磨・ミクロ観察では、これを行うことが出来ません。また、組み上げ後に製品内部のASSY状態を、正確に確認する手法が必要です。
TXS450ミニ・マイクロフォーカスX線CTを使うことによって、鋳物・ダイカストに含まれる鋳巣・シュリンケージなどの内部不連続を可視化・定量することが可能です。また、製品内部の部品アッシィ状態を容易に確認することが出来ます。
国内最大級の撮影範囲φ1,000mmx 高さ1,370mm、耐荷重100kgを持つ450kVミニ・マイクロフォーカスX線CTによって、大型製品・鋳物の評価が可能です。
X線を利用すると気になる放射線と人体影響とその防護
現在は、X線利用設備には「放射線マーク」が付けられ、人体への影響対策で漏洩防止が厳しく求められます。
特に金属の透視用には大出力のX線が必要ということで、その装置には特段の放射線漏洩防止対策が必要になります。
ただ、放射線は、その悪影響には閾値がないという仮説が現在ですが、こんな解説もあり微量・適量なら効用があるということです。
なのでしっかり管理されていれば、人体への影響はさほどない、ともいえそうです。
日本鋳造協会中国四国支部での講演報告引用ご紹介
ラドン温泉と効用 より引用
岡山大学医学部片岡准教授様のラドン温泉の効果・放射線の人体影響の講演は、岡山大学が鳥取県の三朝温泉で運営していた診療所での研究紹介で、花崗岩に含まれるウランの核分裂で発生するラドン(半減期4分弱)は日本の家屋内では通常17ベクレル/大気m3程度で、三朝温泉ではその10倍。それを呼吸すると疼痛に効果ありと。ラットでの実験で効果のプロセスはラドンからでるアルファ線(ヘリウムの原子核)による被爆で抗酸化物質が体内で増加することが好影響と。
三朝温泉の10倍の2000ベクレルもあるというオーストリアのバドガスタイン金鉱山の坑道では鉱山労働者は病気が治り健康になることで有名で、今は治療目的で坑道に入り大気中のラドンを吸うラドン浴を行う人も多いと。
人の老化は、呼吸により取り込まれる酸素の体内代謝で発生する活性酸素が主原因で、人はそれを中和する抗酸化物質を作って対抗するレベルが動物界では最高クラスでそれが人類長寿命の原因と。放射線照射はその産生を増やす効果があると。
常識的には放射線はどんなに微量でも有害と思われていたが、適量なら健康に有益な影響があるのだと。
※オーストリアの鉱山の坑道での2000ベクレル/m3のラドンの呼吸が健康には有益との話を聞き、福島の処理水の海への放流で希釈されリッター当たり数ベクレルのトリチウムが健康に有害などありえないと確信できました。