z軸方向の一様な磁界 B の中に置かれた、一辺の長さ L の正方形コイルに電流 I が流れる状況を考えます。
磁界中を流れる電流には、アンペール力(フレミングの左手の法則) F = IBLsinθ が働きます。

図は、電検教室のHPから部分引用
電流が磁界を通るときに受ける力は、ベクトル外積で表現できる。
ベクトル演算 外積 c=a x b
右ねじの法則: 右ねじの法則: ベクトルaからbへ右ねじを回した時、進む方向が外積の方向
3次元座標では、 x軸ベクトル x y軸ベクトル = Z軸ベクトル となる

図は、OGUEMON 線形代数入門から引用
電流 i が 磁界 B を通る時に受ける力は、
F=i Lx B (i :電流 L:長さ B:磁界)
3次元座標系で磁界がZ方向、コイルの軸がZ軸方向とY軸方向の場合
それぞれのケースについて、各辺に働く力と、中心軸まわりのモーメント(トルク)を解説します。
1. コイルの中心軸(法線ベクトル)が z 方向の場合
この状態では、コイルの面は xy 平面に平行です。
- 各辺に働く力:
- 磁界 B と電流 I は常に直交しているため、各辺に F = IBL の力が働きます。
- 向きは、コイルを外側に広げようとする方向(または内側に縮めようとする方向)になります。
- モーメント(トルク):
- 対向する辺に働く力は大きさが等しく、向きが反対で、かつ同一作用線上にあります。
- したがって、コイルを回転させようとする力(偶力)は発生せず、 モーメントは 0 です。
2. コイルの中心軸(法線ベクトル)が y 方向の場合
この状態では、コイルの面は xz 平面に平行になります。
- 各辺に働く力:
- z 軸に平行な 2 辺: 電流の向きと磁界の向きが平行(または反平行)になるため、 力は働きません (F = 0)。
- x 軸に平行な 2 辺: z方向に距離Lだけ離れた上辺と下辺は、磁界 B と電流 I が直交します。そのため、大きさ F = IBL の力が働きます。
その力の方向が、上辺と下辺では反対になります。Z方向に距離Lだけ離れY方向に働く反対方向の力なので、回転モーメントになるのです。
- モーメント(トルク):
- これら 2 つの力は向きが反対で、作用線がずれているため、 偶力が発生します。
- コイルをx軸まわりに回転させようとするモーメントが発生し、その大きさは N = F x L = IBL^2 (電流 x 磁界 x 面積)となります。
- このモーメントは、コイルの法線ベクトルを磁界の向き(z 方向)に一致させようとする向きに働きます。

直流モータモデルでは
直流モータでは、外側にN極とS極があり、図では左のN極から右のS極に磁界が発生し、その中の電線巻いた回転子に直流電流が流れます。
180度回転するごとに、軸のブラシ部分で電流が同じ方向に流れるように切り替わります。
図の場合は、コイルの軸が磁界と直角のために、左右離れた電線を流れる電流は反対方向のため、電流と磁界で発生する力は反対方向。
そのため、回転力(回転モーメント)が発生します。

図は、アイアール技術者教育研究所のモータ解説 に記載の解説図を引用
磁界とコイルと電流 まとめ
| コイル軸の方向 | 各辺に発生するローレンツ力 | モーメント | 状態 |
| z (磁界)方向 | 全ての辺に働く | 0 | コイルを拡張・収縮させる力が発生 |
| y 方向 (磁界と直角) |
磁界(Z軸)に平行な辺は 0 磁界に直角の上辺と下辺は反対方向 |
F x L = IBL^2 =IBx面積 |
磁界方向にコイル中心軸を 回転させる力(モーメント)が発生 磁石が北を指し示す理由 |

