電界と磁界がマックスウェル方程式であらわされる近接作用説で説明されることや、その結果のいろいろを学ぶと、分かることが増えるが、一方で不思議な現象も出てくる。

それらの一端をご紹介する。

静電気に働く力は、距離に反比例する。近距離になると分母に距離dの2乗があるので大きな力となり、接近させるエネルギー(=電位)も大きくなる。
ところで原子では外側にマイナスの電子、中心の原子核には陽子が多数入る。原子の大きさは10ー10m程度で原子核は10ー14m程度だという(原子を100mの野球場とすると1cmの小石)。原子核の大きさはとても小さいので陽子同士の反発力はとても大きく、10個の陽子がある原子核の場合、1千万ボルトレベルだという。なぜ反発力で飛び出さないのだろう、不思議だ?!

 

導体を流れる電流の抵抗は導体断面積に反比例する=電流は導体の中を均一に流れる。これは、金属導体の内部の電界が電線のL方向断面内で同一の傾きであることを意味している。
 ところが、導体内には電磁波は侵入できず、最表面で減衰することになっている。導体の中で断面内で均一で、L方向に均一に発生する電位差(=電界)とは何なのか?
 長い電線の端部にかけた電圧が伝わる速さは、カタツムリのように遅い電流ではなく、電線の周囲の電磁場で運ばれるので光速で伝わるという、不思議だ?

 

磁界と磁束 磁界は電流によってつくられる。磁束は物質を磁界が通ると透磁率倍になって作られる。一方、ヨークの解説では磁束が透磁率の高いところを流れるのは電流が抵抗の少ないところを流れるのと同じだという。小さな電流でも透磁率高ければ大きな磁力を得られるのはエネルギー保存則に違反していないか?

 

無限に長いコイルに定電流を流すと、内部に均一な磁界ができ、外部に磁界はできない。コイル中心をとおるL方向の断面では、面を貫く電流は左右反対で、作る磁界がコイル内では同じ方向で足しあい、コイル外部では相互に反対方向なので消しあうからだと。鋳造で用いる電気炉の外側で無事に作業できるのはこのためかと安心したら、電気炉製造会社の磁束分布解析ではそうでないようだ。
ところで、鋳造で利用する電気炉では、コイル外側に分厚い電磁鋼板を設置し、磁界分析シミュレーション例では電気炉の内外に強い磁界が通り、電磁鋼板も磁界が貫くことになっている。炉の内部の溶湯には電磁波は侵入できず炉壁接触部分だけが加熱される。ならば、強い磁界は炉の上部を曲がってコイル外側の電磁鋼板に入るはず。鉄棒などは強く加熱されるはずだが、電気炉のオペレータは何気なくノロ取り粉を播き鉄棒を手に取って湯面に浮いたノロを掬い取っている。
 コイル部分の上に耐火物のかなり長い部分があり磁界はその部分を通って電磁鋼板に流れるとみるべきなのだろうが、一方でコイル外側には磁界がないということとも矛盾?
 この解説はまだ、目にしたことがないが、

参考になりそうなのが、ヨーク(継鉄)の解説

株式会社マグエバーの、下記サイトです。
この事例と電気炉のコイルの外側にある、コイルより上下方向に長い継鉄(電磁鋼板)が磁石のキャップの役割をしてるのかも。
電磁鋼板は、0.1-0.2mmという極薄のケイ素鋼板の表面に電気絶縁被膜を塗装したもので、磁界と垂直方向に発生する誘導電界方向が板厚に直角になるように重ね合わせて配置され、鉄板一枚毎に電界を分断し電流が流れにくくしたもの。

https://magever.net/magnet-yoke/

磁石のヨーク(キャップ)について

 磁石は、磁石単体で使用することは少なく、鉄(又は鋼)と組み合わせて使用します。鉄と組み合わせることにより吸着力が増し、性能が大きく向上します。この鉄をヨーク(日本語で「継鉄」)と言い、磁石と鉄を合わせ磁気回路を構成させます。

特徴

 ヨークには磁石から出る磁束を通しやすいという特徴があります。磁束の通りやすさを表す指標として「透磁率」があります。

 大気中を1とするとヨークは1,000~10,000倍となります。磁石の近くにヨークがないと、磁束は大気中に漏れてしまいます。しかし、磁石の近くにヨークがあると磁束は大気中には漏れず透磁率の高いヨークに集中します。電気の良導体と同じ役割をするようです。

Copilotの回答を参考にご紹介
 Q: 透磁率が高い部分に磁力線が流れるのですか?

Copilot

 A: はい、透磁率(磁界を通す能力)が高い部分には、磁力線が集まりやすいです。透磁率が高い材料は、磁力線を効率的に通すことができるため、磁場を集中させる役割を果たします。例えば、鉄やニッケルなどの磁性材料は高い透磁率を持ち、磁力線が密に集中します。磁石の極の近くでも、磁力線がこの高透磁率の材料に吸い寄せられるようになります。

材料

 ヨークの材料は、不純物の少ない純鉄や炭素の低い鋼(低炭素鋼)が一般的に使用されています。

 モーターには、珪素(シリコン)を含んだ珪素鉄や用途によって錆びにくいステンレス鋼が使用され、これらの材料を総称して軟質磁性材料と言います。

ホワイトボード(鉄)に使用するキャップマグネット

磁石単体で使用した場合

磁石単体で使用

磁束が大気中へ漏れ、有効に集中しない。

吸着力UP

ヨークと磁石で磁気回路を形成させたキャップマグネット

ホワイトボードとキャップマグネット

N極がヨーク面に移動することにより、「N極 -ホワイトボード-S極」という磁気の回路が構成され、磁束がホワイトボードに有効に集中する。

戸棚や収納扉等に使われている磁石製品

磁石単体で使用した場合

横向き縦向き

磁石の向きに関わらず、磁束は大気中に漏れ有効に集中しない。

吸着力UP

磁石を2枚のヨークで挟んだ場合

2枚のヨークで挟んだ場合

N, S極はヨークの先端部に移動し、磁束は鉄板に集中する。

磁石とヨークを組み合わせると磁気回路が構成され磁束が必要な場所に集中します。その為、磁力を有効に利用でき、吸着力は大きく向上します。