鋳物業で困ることの1つが、増え続ける型や製品在庫や設備予備品の管理。
万に近い山のような木型・金型・中子型、鋳物製品の置き場所がわからなくなる。
ICチップなど電磁波利用し物に貼り付け、リーダーやライターとデータをやり取りできるRFタグ。
RFIDリーダーは、電波の届く範囲のICタグ・RFタグを識別し、多数のアイテムデータを取得できるので、棚卸やもの探しなどへ導入が進んでいるそうです。
在庫管理の革命的効率改善システムとなりそう。
金属は電波を反射するので直接貼り付けは不可と。なので鋳物製品や金型に直接貼り付けできない。
電装HPに解説記事があったので、部分引用でご紹介。
https://www.denso-wave.com/ja/adcd/fundamental/rfid/rfridtec/index.html
RFIDとRFタグの原理、 方式ごとに利用距離が異なる
RFIDとRFタグ
用語の定義
RFIDは、Radio Frequency IDentificationの略です。RFIDとRFタグの意味は次のとおりです。
- RFID
- 電波(電磁波)を用いて、RFタグのデータを非接触で読み書きするもの
- RFタグ
- 電波(電磁波)を用いて、内蔵したメモリのデータを非接触で読み書きする情報媒体
RFタグの呼称
RFタグは電子タグ、ICタグ、無線タグ、RFIDタグ等、様々な呼び方をされていますが、ここでは、JIS(日本工業規格)で定められている「RFタグ」に統一します。
非接触ICカードとの関係
人が持って、入退室管理、電子乗車券、決済用途等で使用する「非接触ICカード」も広義のRFIDですが、ここでは、物に付けて利用する「RFタグ」を中心に説明
RFIDの動作原理
使用する周波数によって実現方法は異なりますが、RFタグとリーダ/ライタとの間のデータ伝送の原理は、ほぼ同じです。RFID装置における、データ伝送の原理を図2に示します。
図2 RFIDの動作原理
- 1.リーダ/ライタのアンテナから、情報を電波又は磁界に乗せて送信。
- 2.RFタグのアンテナがリーダ/ライタからの電波又は磁界を受信。
- 3.整流(電波の場合)または共振(磁界の場合)により、RFタグのアンテナに電力が発生。
- 4.発生した電力により、制御回路、メモリを動作させ、必要な処理を行う。
- 5.RFタグ内のデータを、電波または磁界に乗せてRFタグのアンテナから返信。
- 6.リーダ/ライタのアンテナで、RFタグからの電波又は磁界を受信。
- 7.リーダ/ライタの制御部で、電波または磁界から情報を取り出す。
他の自動認識媒体との比較
表2 RFタグと他の自動認識媒体との機能比較
方式
|
RFID |
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||||||
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電磁誘導方式 |
電波方式 |
|
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中波 | 短波 | UHF | マイクロ波 | |||||
~135kHz |
13.56MHz |
433MHz |
900MHz帯 |
2.45GHz |
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読取性能 |
距離 |
~10cm |
~30cm |
~100m (電池付) |
~5m |
~2m |
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データ量 |
ICチップの仕様による |
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データの書換え |
◎ |
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複数一括読取り |
◎ |
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|||||
流し読み |
◎ |
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RFタグの特長は、データの書替えができること、汚れ等に強いこと、ある程度遮蔽物があっても交信ができることです。又、同時に複数の読取りが可能なことも、大きな特長です。これらの特長について、次の章で詳しく説明します。図3に、RFタグの周波数別の特長をまとめました。
図3 RFタグの位置づけと特長
近接用の電磁方式の代表例が機器に接触利用のSuicaなど。
しかし、たな卸しには長い距離が必要。
電波方式 (電波) |
433 MHz 900 MHz帯 2.45GHz |
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導入時の注意点
たな卸し用のRFIDは電波を利用するため、システム設計をする際に注意すべき点がいろいろ
- RFタグの読み書き性能は、金属の影響を受ける
- RFタグを金属面に貼付すると、読めなかったり通信距離が短くなる場合がある。
- 複数のRFタグが重なると、タグのアンテナ間の干渉により、読み書きができなくなる場合がある
- 複数のアンテナ間の距離が近いと、干渉によりRFタグの読み書きができなくなることがある
- アンテナとRFタグの位置関係によって読取り性能が低下することがある
- 周波数によって、交信距離、指向性、水分の影響等に違いがある
- RFタグを貼付する物により、読み取り性能が変わることがある
- RFタグやアンテナの周囲環境で読み取り性能が変わることがある
- 電波方式のRFID(マイクロ波、UHF)の場合、電波が床や壁、その他の物体に反射して想定以上の距離まで電波が到達し、想定外のRFタグを読み取る場合があるため、電波出力の調整や電波吸収材の使用を検討必要。