鉄は、純鉄はとても柔らかいのに添加物少量でその性質を大きく変化させます。
製造中のトラブルとしては、意図せぬ微量のCrの混入で、加工の刃が立たない硬いものができてしまうことも。
逆に、そのような特徴を活かした超硬質で耐摩耗性材の製造もおこなわれています。
その代表的性質の一つにCr等を添加した耐摩耗性・硬さの大幅な強化材の研究開発例として下記の研究成果をご紹介。
平成23年度戦略的基盤技術高度化支援事業
「耐摩耗性・耐熱性の向上に資する鋳造技術の開発」
研究開発成果等報告書 平成24年 3月
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/sapoin/portal/seika/2009/21110110006.pdf
委託者 北海道経済産業局
委託先 佐藤鋳工株式会社
より、一部をご紹介、全文は上記サイトのPDFをご覧ください。
第1章 研究開発の概要
断熱材用グラスウール製造ラインにおけるローター材料や、製鉄プラントの配管設備部品材料などは、常時高温環境下において使用されるため、使用材料の耐熱性、耐摩耗性が不可欠である。しかし、耐熱性と耐摩耗性の両面に優れる材料はほとんど無く、材料の開発が急務である。
本研究では、硬質な炭化物を微細にしかも粒状としてマトリックス状に分散した600℃を超える温度にも耐えうる耐熱・耐摩耗鋳鋼の製造技術の確立を目的とする。
成果(一部) 開発材料は.焼入れ,焼入れ・焼戻し材ともに,850HV 以上の高い数値が得られた.
1-3 成果概要(抜粋)
1-3-1 高温度環境下での耐熱・耐摩耗鋳鋼材料の摩耗メカニズムの解析
1-3-2 耐熱・耐摩耗鋳鋼材料の化学成分の確立
1-3-5 10%Co 含有多合金系白鋳鉄の製造
1-3-7 耐熱・耐摩耗性鋳鉄の新規材料選定および製造
1-3-8 難削材の加工条件の確立