電気回路には、電圧の端子、電気の流れる導線、抵抗、コイル、コンデンサーがあります。
日経に、「コンデンサー、40年で体積2000分の1 村田製シェア4割(サイズ 0.25mmx0.124mm)」との記事が掲載されました。
サイズ的には鋳物砂の0.2mmレベルになります。
「スマホを分解してプリント基板をみると、半導体を取り囲むように米粒よりも小さな角形の部品が並ぶ。村田製作所が世界で4割のシェアを握る「積層セラミックコンデンサー」だ。最新スマホには最大1000個程度が使われている。」のだそうです。
電子機器で意味が分かりにくいのがコンデンサーとコイル、ここではコンデンサーの機能をわかりやすく解説してくれているサイトから部分引用でポイントをご紹介します。
電気電子機器メーカーの松定プレシジョンのサイトから
コンデンサはなんの役割を担う電子部品? 仕組みをわかりやすく解説
何にでも使われるコンデンサ
コンデンサとは、ほとんどの電子機器に使用される、とても重要な電子部品のひとつです。電子回路や電源回路、電源そのものなど、幅広い用途に使用されています。
コンデンサは、抵抗やコイルとともに、電子回路の基本となる3大受動部品と呼ばれています。受動部品とは、受け取った電力を消費したり、貯めたり、放出したりする部品のことです。
IC(集積回路)のように小さな電力を受け取り、それを増幅して一定の出力を行うような能動的な働きをすることはできません。ただ電気を受けて流すだけの単純な部品というイメージがありますが、能動部品を正しく動かすためには、受動部品は欠かせない大切な部品です。
3大受動部品は、回路図でコイルを表す「L」、コンデンサの「C」、抵抗器の「R」から、それぞれ記号をとってLCRと呼ばれることもあります。
2枚の金属板と絶縁体が基本。コンデンサの構造
コンデンサの基本構造は、絶縁体を2個の金属板で挟み込んだ形です。絶縁体とは電気を通さない物質のこと。コンデンサに使う絶縁体はとくに誘電体と呼ばれます。「電気が流れる」とは、導体の中にある「+」と「−」の電荷が移動することです。
電気を流そうとすると、回路上の電荷が動きはじめますが、金属板の間に絶縁体があるためそこから先に移動できません。そのため、片方の金属板には電荷が貯まります。すると絶縁体を挟んだ反対側の金属板には反対の電荷が貯まるのです。
こうしてコンデンサは、2枚の金属板の間に電荷が蓄えられる仕組みになっています。絶縁体の種類には、ガスやオイル、セラミックや樹脂と種類があります。また金属板の構造も、単純な平行板型だけでなく、巻き型や積層型など様々です。
絶縁体の種類やコンデンサの構造により、蓄えられる電荷の量や対応する周波数が異なるため、用途に合わせて使い分けられています。
コンデンサの役割
コンデンサはふたつの機能を持っています。
- 電荷(電気)を蓄える
- 直流電流を通さないが、交流電流は通すことができる
電気を蓄える仕組みについては、前項のコンデンサの構造で解説しています。
直流電流が流れないのは金属板に電荷が貯まり、それ以上電荷が移動しなくなるためです。つまり直流電流といえども、充電が完了するまでの短い時間ならば流れることができるのです。交流電流は常に電流の方向が入れ替わるため、コンデンサ内で充放電が繰り返し行われ、電気が通っているように見える仕組みになっています。
つまり周波数の高い交流電流ほど通りやすい性質も持っています。
このような機能から、コンデンサは電子回路の中で次の3つの役割を果たします。
①電荷を貯めたり放電したりする
電荷を貯めたり放電したりできるのは、コンデンサの構造に由来します。電荷を蓄えるだけでなく、放電もできるため、コンデンサそのものを電源として使えます。これを利用するのがカメラのストロボです。
カメラのストロボを強く発光させるためには、瞬間的に高い電圧をかけなければいけません。しかしカメラを動かす回路には、そこまで高い電圧は必要としていません。そこでコンデンサ内に電荷を貯めておき、一気に放出させて強い発光を得る仕組みになっています。
②電圧を一定に保つ
コンデンサの電荷を蓄えたり放電したりできる機能は電圧を一定に保つためにも使えます。並列回路に入ってくる電圧が高いときには充電し、電圧が低いときには放電して、電圧の脈動を軽減できるのです。
コンセントから流れてくる電気は交流電流ですが、多くの電子回路は直流電流で動きます。そのため、交流を直流に変える作用をもつ「整流回路」を通して一方に整えるのですが、その段階では波の山の部分が続くような不安定な電流となっています。そこでコンデンサにより脈動を抑え、電圧を一定に保つ仕組みになっています。
③ノイズを取り除く
コンデンサがノイズを取り除く仕組みでは、直流電流は通さず交流電流は通す機能が役に立ちます。直流電流に含まれるノイズは、周波数の高い交流成分ですので、コンデンサを通りやすい性質があります。
入力と出力の間に、分岐回路を設け、コンデンサとそこから繋がる抵抗のない回路(グラウンド)を作ります。すると交流成分はコンデンサへと流れていき、直流電流のみが出力回路へと流れていくのです。
以下省略