電磁気をマクスウェル方程式で学ぶと、電気と磁気と電波の関係が分かり、電波を発信・受信するアンテナ(電波の波長の半分の長さの導体は電波を発信・受信できる)の原理も理解でき、電磁パルスや高高度核爆発で発生する電磁パルスを受信してしまう電線やアンテナなどが高い電圧発生させ、電気電子機器の耐電圧を超えて絶縁破壊する可能性も理解できるようになります。

一番簡単な対策は、保存したい機器を外部電源から切り離して「金属で囲われた空間に保存」。周波数が高くなるほど電磁波の導体への侵入深さが小さくなり、10KHZでは0.2mm程度だと。なので、金属製の更衣用ロッカー・ドラム缶・ペール缶・お菓子の金属の箱・アルミ箔で完全内張した箱など、導体で囲われた空間に保管することで、電磁パルス攻撃を逃れることができる。これは、導電体内部には電位差が発生しないため。

部屋の防護など、より日常のシステム設備防護については、三菱電機の論文(PDF)が参考になります。
 https://www.giho.mitsubishielectric.co.jp/giho/pdf/2019/1902109.pdf

NTTのネット解説から 下記の記事を引用でご紹介します。
https://www.rd.ntt/se/media/article/0036.html

 

電磁パルスとは?HEMPなど電磁パルスによる被害の仕組み・原理と対策

電磁パルス(EMP)とは、電子機器を損傷・破壊する、強力なパルス状の電磁波です。大規模な太陽フレアにより発生するほか、電磁パルス爆弾や、上空30km~400kmの高高度での核爆発による発生が現実的な脅威となっています。この記事では、電磁パルスによる被害の仕組みや原理、技術的な対策などを解説します。
雷によるものをLEMP、核爆発によるものをNEMPといいます。
EMP=Electric Magnetic Pulse、 L=Lightning,   N=Nuclear

電磁パルス(EMP)とは、強力なパルス状の電磁波であり、電子機器を損傷・破壊し、電子機器を使用した通信・電力などの重要インフラを使用不能にする可能性があるものです。
大規模な太陽フレアにより発生するほか、昨今の国際情勢の悪化により、電磁パルス爆弾や、上空30km~400kmの高高度での核爆発による発生が現実的な脅威となっており、対策が求められています。
この記事では、電磁パルスによる被害の仕組みや原理、想定される被害、技術的な対策について詳しく解説していきます。

1. 電磁パルスとは

電磁パルス(EMP: ElectroMagnetic Pulse)とは、強力なパルス状の電磁波です。大規模な太陽フレアに伴って発生するほか、上空30km~400kmの高高度での核爆発や高強度電磁界(HPEM: High-Power Electro-Magnetics)発生器などにより人為的に発生させることも可能です。いずれも人体に直接の影響はないものの、電子機器を損傷・破壊し、電子機器を使用した通信や電力、ガス、上下水道、交通などのインフラに障害を生じさせます。
1859年には大規模な太陽フレアの発生により、カナダのケベック州全体で9時間もの停電が起きました。また、昨今の国際情勢の悪化に伴い、HPEM発生器や「高高度核爆発電磁パルス」(HEMP: High altitude ElectroMagnetic Pulse)による攻撃が現実的な脅威となっており、対策が求められています。
現状ではほとんどの電子機器が、太陽フレアによる磁気嵐被害やHPEM発生器、HEMPによる攻撃を想定せずに作製されています。そのため、仮にこれらの被害や攻撃を受けた場合は壊滅的な打撃を受け、復旧までに数か月~数年かかるともいわれています。

2. EMPの種類と特性

次に、EMPの種類と特性を、太陽フレア、HEMP、HPEMのそれぞれについて見ていきましょう。

2-1. 太陽フレア

太陽フレアとは太陽表面の大爆発で、大きな黒点の周りで発生します。黒点の磁場が変化する際、そのエネルギーがまわりのガスに伝わって起こると考えられており、電波やX線、および電子や陽子などの電荷を帯びた素粒子が飛び出してきます。
太陽フレアによって引き起こされる電磁パルスはkHz以下の低周波数帯のもので、短いときは数分間、長いものでは数時間にわたって続きます。この電磁パルスによって地球の磁場の振動や動揺が引き起こされ、高圧送電線などの非常に長い伝導体に大電流が発生します。

2-2. HEMP (核爆発による電磁波障害)

HEMPは以下のように、初期HEMP(E1)、中間期HEMP(E2)、終期HEMP(E3)の3種類の電磁パルスを発生します。電子機器の故障限界を超える、雷の直撃レベルと同等程度の高い電磁的衝撃が発生することが分かります。(図1は 三菱電機の報告書PDF 上掲)から引用。

 

1. E1

E1はHEMPの最初に発生する強力なパルス状の電磁波です。核爆発によって放出されたガンマ線が大気中の分子(窒素や酸素など)に衝突すると、そのエネルギーにより分子中の電子がはじき出されます。はじき出された無数の電子により、数ナノ秒で数万ボルト毎メートルに達する強力なEMPが発生し、地上に到達します。
周波数はMHz以上の高周波数帯となり、爆発地点から見通せる範囲の電気器具や電子機器、あるいはそれらを使用したシステムに電磁波として直接侵入するほか、電話線や電線経由でも侵入します。

V/m(ボルト/メートル) 「電界」の強さを表す単位としては、一般的に「V/m(ボルト/メートル)」が使われます。1V/mとは、金属平板を平行して1m離し、この間に1Vの電圧をかけたときに金属平板の間に生じる電界の大きさを表します。

ガンマ線  原子核から飛び出した光。放射性物質の原子核からアルファ線(=ヘリウム核)ベータ線(電子)が飛び出した原子核に残されたエネルギーが、光(=電磁波)として放出されたものがガンマ線。ガンマ線(ガンマせん、γ線、英: gamma ray)は、波長がおよそ 10 pm よりも短い電磁波で電離作用があります。電磁波は、波長が短いほどエネルギーが高く、粒子性が強くなります。ガンマ線は空気中を数 10m から数 100m まで飛び ます

pm 桁数を表すp(ピコ)は、 1012。ミクロンが106なので、ミクロンのミクロンという極めて短い波長になります。

電離作用とは 放射線が物質中を通過する場合、持っているエネルギーにより、物質を構成している原子が持つ軌道電子をはじき出して、陽電荷を帯びた状態の原子(又は陽イオンの分子)と自由な電子とに分離します。これを電離作用といいます。
電離作用を持つ電離放射線の中には、物質を直接電離するものと、間接的に電離するものがあります。
α(アルファ)線、β(ベータ)線等の電荷を持った粒子線は、物質を直接電離します。
特にα線は、電離密度が高く、β線等の数百倍の密度の電離を引き起こし空気中では3cmから8cmで消滅し、核爆発では火球外への影響はありません。
γ(ガンマ)線、X(エックス)線は、物質との相互作用によって発生した二次電子によって、物質を間接的に電離します。空気中では数100m程度で消滅し爆心以外への影響は少ない。

※生物では最大の構成要素の水から発生する活性酸素 その影響と防護の解説 (がんを防ぐ体のはたらき PDFです)
人体と放射線では、短時間に4Sv(シーベルト)被爆で死亡しますが、一桁下がるとほとんど一時的な障害で生存できるそうです。広域の放射線障害は、地表核爆発(数100m火球が地上にかかる場合)で、核爆発による超高温の火球で大量の地表物質が蒸発し大量の放射性物質となり、それが上昇気流で冷却後に放射性のチリとなってまき散らされる場合に発生と。そのため、超高空爆発や、大気中核爆発では熱線被害や衝撃波被害が中心で、放射線被害は少ないと。長崎・広島は空中爆発で、高齢者が被爆被害を証言できるのはこのためと思われます。放射線は核反応直後に大量に発生し、核反応で発生したほとんどの不安定な放射性物質は秒以下の短時間での核反応進行で急激に放射性を失い、シェルターや建物内での直撃防止で生存確率は大幅に上昇します。

電磁波とエネルギー 名古屋大学 電波50のなぜ より引用紹介

●一般家庭電化製品から発せられる超低周波電磁波
 上記サイトより身の回りの電磁は強度(V/m)の引用紹介
 下表が一般家庭用電化製品から発生する電界と磁界の数値ですが、測定値はあくまでも複数の条件から得られた平均値で
 あり、 使用状況・製品機種によってことなります。例えばテレビの前面から発生する電場は、照度や放映の場面により数値が
 大幅に変化します。また交流電気を使う電化製品はすべて超低周波の電磁波が発生します。
  電化製品の種類 電界発生
量(V/m)
磁界発生
量(mG) 
測定距離
(cm) 
デスクトップパソコン 300 0.4 0
ノート型パソコン 1,500 0.8 0
テレビ(ブラウン管画面) 800 0.6 30
液晶テレビ 680 3.8 0
プラズマテレビ 9 5 0
ビデオデッキ 200 0.3 30
電子レンジ 500 80 30
エアコン 300 3 30
ドライヤー 150 10 0
  電化製品の種類 電界発生
量(V/m)
磁界発生
量(mG)
測定距離
(cm) 
電気コタツ(ヒーター部) 350 50 0
ホットカーペット 1,000 300 0
電気毛布 300 100 0
掃除機 80 5 30
光灯 90 5 30
電話器 100 0.3 0
洗濯機 250 50 30
冷蔵庫 90 0.5 30
家庭用ゲーム機 280 0.8 0

2. E2

E2は核爆発のガンマ線によって発生します。E1の次に地上に到達し、kHz~MHzの中周波数帯の電磁パルスが数ミリ秒間(1,000分の数秒)継続します。電話線や電線経由で電子機器に入り込み、E1が破壊した箇所を中心にさらなる損傷や破壊を引き起こします。

3. E3

E3は核爆発で発生する火球によって引き起こされます。太陽フレアと同程度の低周波数帯(kHz以下)の電磁パルスで、やはり高圧送電線などに大電流を発生させます。

2-3. HPEM

HPEM発生器はバッテリーの電力や化学反応、爆発などにより、高周波数帯(MHz以上)のEMPを発生します。HEMPのように数千kmの範囲ではなく、数十m~数百mの近距離での電子機器の破壊や機能停止を目的とした装置です。

3. EMPの影響

EMPは実際にどのような影響をおよぼすのでしょうか? EMPにより機器が破壊されるメカニズム、および発生する社会的被害を見てみましょう。

3-1. EMPにより機器が破壊されるメカニズム

高周波数帯、中周波数帯、低周波数帯のEMPが機器を破壊するメカニズムはそれぞれ次のとおりです。

1. 高周波数帯のもの

高周波数帯のEMPは、数十センチ程度の短いケーブルにも侵入し、高電圧を発生させることが特徴です。発生した高電圧は電子デバイスや部品などを耐性許容限度以上の電圧がかかる「過電圧状態」にし、絶縁破壊・短絡させて故障させます。

2. 中周波数帯のもの

中周波数帯のEMPは、電線や電話線など数十メートル以上のケーブルに侵入して高電圧を発生します。それにより、これらケーブルに接続された電子機器を過電圧状態にし、絶縁破壊・短絡させて故障させます。
E2の場合にはE1に続いて地上に到達するため、E1で破壊されなかった電子機器も破壊されることになり、電子機器を使用したインフラなどのシステムはさらなる回復不能状態に陥ります。

3. 低周波数帯のもの

低周波数帯のEMPは、長大な送電線など数十メートル以上のケーブルに高電圧や大電流を発生させます。電流の大きさは送電線の長さに比例するため、非常に長い送電線では1,000アンペア以上にもなるといわれます。
この大電圧や大電流は変電設備などの故障を引き起こすため、広域での停電が発生する可能性があります。

3-2. EMPにより発生する社会的被害

HEMP、HPEM発生器および太陽フレアにより発生する被害はそれぞれ以下のとおりです。

1. HEMPによる被害

HEMPによる被害は、以下のように甚大なものが想定されています。

(1)被害の範囲

HEMPの被害を受ける地表の範囲は、下表のように、爆発の高度が高くなるほど広くなります。

爆発高度 被害範囲(半径)
30km 602km
100km 1,100km
200km 1,556km
300km 1,905km
400km 2,200km

(参考:CISTEC Journal 『高高度電磁パルス(HEMP)攻撃の脅威 ―喫緊の課題として対応が必要―』HEMPによる被害状況より作成。HEMPの爆発高度と被害を受ける地表の範囲)

上の表によれば、北端から南端までの直線距離が約1,200kmとなる日本の本州は、爆心高度100kmで被害範囲としてほぼ覆われてしまうことがわかります。

(2)想定される被害状況

米国の国土安全保障調査会が描き、米国議会EMP議員団(Congressional EMP Caucus)が認定したシナリオによれば、10ktの核爆弾がニューヨーク真北上空135kmで爆発した際に発生するHEMPの被害状況は、下表のとおりとされています。

項目 被害規模
死傷者 数百万人(復旧長期化の結果として)
インフラ被害 米国東部の全域
停電地帯からの
避難民数
数百万人
汚染状況 米国東部全体、おそらく64平方km以上にわたって数州に散在する原子炉、工場、製油所、パイプライン、燃料貯蓄所、その他工業施設の、火災や爆発などによる放射能と化学物質の脅威
経済的な影響 数兆米ドル
復旧予定期間 数年

※ HEMPは人体には直接の影響を与えないとされます。死傷者数や経済的影響は、復旧長期化の影響(食糧不足や病気、インフラ再建のための費用など)によるものです。
(図表出典:CISTEC Journal『高高度電磁パルス(HEMP)攻撃の脅威 ―喫緊の課題として対応が必要― HEMPによる被害状況』)

(3)想定される事態

HEMPによる攻撃を受けた場合、次のような事態が発生するといわれています。
まず、発電所や送電システムなどの電力供給インフラが損傷・破壊されます。使用されている電子機器の電子素子や部品、あるいは変圧器などは、高電圧がかかることで物理的に壊れます。
また、情報・通信システム、鉄道・航空・船舶・バスなどの運輸・輸送システム、金融・銀行システム、医療システム、上下水道システム、建造物・施設の維持管理システム(電気、上下水道、エレベーターなど)など、電力を使用するその他のインフラも損傷・破壊されます。
すなわち、以下のシステムも使用不能になると予想されているのです。

  • 政府・各省庁・自治体などの管理業務用システム
  • 企業の各種業務処理用システム
  • 自衛隊の指揮・統制・運用システム
  • 警察などの犯罪捜査システム
  • 出入国管理システム

国や自治体、企業など、すべての活動が麻痺し、大混乱に陥る可能性があるというわけです。
さらには、原子力発電所が送電線からの外部電源を利用し、内部の非常用電源や発電機などを利用できない場合には、福島原発事故のような事態に陥る可能性があるといわれています。

2. HPEM発生器による被害

これまで、高出力な電磁パルスを発生する種々の試験装置が開発されてきました。また、試験装置に限らず、レーダなども高出力な電磁パルスを発生させることがあります。
レーダによる被害の事例として、サンディエゴ水道事業で使用されている自動制御システムが、船舶レーダの影響で誤作動し、断水故障が発生したことがあります。

3. 太陽フレアによる被害

記録に残るなかで最大の太陽フレアは1859年に発生したものだといわれています。その際には欧米で、電信機などの火花放電による火災が多発しました。
当時と比べてさらに大幅に電気に頼っている現在で同じ規模の太陽フレアが発生すると、1兆~2兆ドルの損害が発生し、復旧に4~10年ほどかかるとの試算もあります。
また、前述した1989年に発生した太陽フレアでは、カナダ・ケベック州で発生した9時間にもおよぶ大停電の影響を600万人が被りました。経済的損失は100億円超と見られています。
2003年の10月~11月にかけても太陽フレアによる大規模な磁気嵐が発生し、日本の科学衛星を含む宇宙機の約59%が影響を受け、約24%のミッションが安全策を取ったこともあります。

4. EMPへの技術面での対策

EMPへの対策は、技術的な取組みが進んでいます。ここでは、そのなかから通信装置のHEMP対策、および太陽フレアやHEMPの影響を考慮した次世代エネルギー供給技術を見てみましょう。

4-1. 通信装置のHEMP対策

HEMPに対する技術的な取組みは、1990年代から国際電気標準会議(IEC)や国際電気通信連合(ITU)などの国際機関や組織が中心となって進められており、IEC、ITUのそれぞれが電子機器や通信装置のHEMP対策に関する標準・規格をまとめています。
2009年には、通信センタやデータセンタの機器をHEMPから防護する指針として、ITU-T勧告K.78「HEMPに対する通信装置の耐力要件」が制定されました。この規格では、高度数十kmで核爆発が起きた場合を想定し、通信装置に対するHEMPの7種類の侵入形態ごとに、通信装置に要求される耐力が規定されています。
ただし、装置に要求される耐力は、装置が実際に設置される環境(建物の構造や雷害対策の有無など)によっても変わってきます。そのため、標準工法や過去の電磁波測定結果などを参考に、装置設置環境の耐力評価が行われています。
また、装置の耐力を測定するにあたっては、HEMPを模した電磁パルスの装置への印加が必要です。強力な模擬電磁パルスをどのように発生させるか、あるいはどのように装置に印加するかが研究課題となっています。

4-2. 次世代エネルギー供給技術

太陽フレアによる宇宙線やHEMPによる電磁パルスの影響により想定される、電子機器や電力供給機器の破損や停止、誤作動などのリスクに備えるため、さまざまな事象の影響があっても電力供給が途絶えない、次世代エネルギー供給システムの研究が進んでいます。
次世代エネルギー供給システムでは、直流380Vの高電圧直流給電システムが導入された地域の拠点となり得るビルと、周辺地域の複数の発電装置や、定置・車載の蓄電池、および電力の需要家とを直流の電力網で結びます。直流給電システムは交流給電システムと比較して、直流で動作するITC機器などに変換なしで電力を供給でき、またバックアップ用の蓄電池も直流のメイン配線に直結するため、変換ロスの少ない高効率なシステムといえます。
太陽フレアやHEMPの影響を受けた際には、交流給電システムの場合には、交流システムに必要な同期制御を行うソフトウェアがエラーを起こし、同期が外れて電力供給が途絶えるリスクがあります。それに対して直流システムでは、同期制御の必要がないこと、および直流メイン配線に蓄電池が直結していることにより、電力供給の途絶リスクが低減します。
この、直流システムであることが、次世代エネルギー供給技術が太陽フレアやHEMPなどに強い理由といえます。
直流電力網は、災害時に電力会社からの電力供給が途絶えても、周辺地域の再生可能エネルギーや蓄電池を組み合わせることにより、電力の融通が可能です。また、通常時に周辺地域の再生可能エネルギーが余剰となれば、拠点ビルの蓄電池に効率よく蓄えることも可能となります。

5. まとめ

  • 電磁パルス(EMP)は電子機器を損傷・破壊し、電子機器を使用した通信や電力、ガス、上下水道、交通などのインフラに障害を生じさせる。
  • EMPは太陽フレアや高強度電磁界(HPEM)発生器、高高度核爆発などにより発生する。
  • EMPには高周波数帯(MHz以上)、中周波数帯(kHz~MHz)、低周波数帯(kHz以下)と大きく3種類ある。
  • 高周波数帯のEMPは数十センチ程度の短いケーブルから、中周波数帯のEMPは電線や電話線などから侵入し、電子機器を過電圧状態にして故障させる。
  • 低周波数帯のEMPは送電線に大電流を発生させ、変電設備を故障させることにより広域での停電を引き起こす可能性がある。
  • EMPの発生により大きな社会的被害が発生する可能性がある。
  • 通信装置のHEMP対策や次世代エネルギー供給システムなど、大規模なEMPに対する技術的な対策も進められている。

参考文献