広島県庁HPに掲載された中学生の作文をご紹介。
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/33467.pdf
広島県立広島中学校 2年 玉井晶子さん

可部の鋳物産業

可部と鋳物
 広島県は、鋳物の生産量が全国で3位である。
 自動車部品などで鋳物が多く使われているので自動車メーカーの工場が近くにある所が鋳物の生産量が多いと言うことはあるが、歴史的にみても広島市の北部に位置する可部というところは古くから鋳物の産地と知られている土地である。
 右の写真は、この可部を語る上で欠かせない産業「鋳物作り」の象徴として可部駅に設置されている「大羽釜」だ。
 鋳物とは,鉄などの金属を1500度の高温で溶かし,型に流し込む「鋳
造」によって作られた金属製品のことで,私たちにとっては,とても身
近な金属製品である。
 中国山地の豊富な砂鉄による鋳物業が広島では 13 世紀から始まり,その集積地となった可部でも 16 世紀に鋳物が作られるようになった。そして江戸時代,「たたら製鉄法」が最盛期を迎えると可部の鋳物業は県内一の生産を誇ることになったのである。
 可部の鋳物業が県内一の生産を誇ることになった理由として,石見国や山県郡などの鉄の産地が近かったこと,燃料になる木炭も豊富にあったこと,もともと交通の要衝であったために宿場が設けられ,物資の集散地であったことがあげられる。
 可部は,現在はエンジン・ポンプといった機械部品鋳物,古くは,鍋,釜,五右衛門風呂などを生産してきた。かつては,広島の風呂釜生産は全国の 80%を占め,その内の 70%が可部産であったと言われている。
【参考文献:http://www.geocities.jp/enkitahon/sanngyou.html

おすすめポイント

 私は今まで,小学校で学習した「やままゆ」のことしか可部の産業について知らなかった。今回,鋳物産業について調べてみて,次のようなことが分かった。
 鋳物の長所は,模型さえ作っておけば,複雑で曲面のある形状のものでも型に流し込むだけで製品ができ,しかも大量生産が可能であること。
 さらに,鋳物の原料となる「銑鉄」や「鉄くず」はリサイクルが可能な上,再利用 主要生産品の一つ,マンホールにしても品質が変化しない点が挙げられる。まさに「鋳物」は地球に優しい製品なのである。
 これから,ますます私の住んでいる可部の町,そして鋳物産業を大切にしたいと思う。

広島県立広島中学校 2年 玉井 晶子