日本列島誕生まで7億年を概観する大きな1枚のPDFがありました。
岐阜県に2億5千万年以上前の鍾乳洞があるという報道を見て、日本列島が大陸から分離したのは2300万年前?のはずなのに、はてな???と。
調べたら出てきたのですが、これが面白い。中国地方に多い花崗岩がなぜできたのかや火山・温泉がどこにでるか?も解ります。
その一部をご紹介します。
138億年前にビッグバンで誕生した宇宙、核融合で最も重い鉄までの元素が誕生した第一世代の星から、超新星大爆発で鉄より重い原子誕生の第二世代の星が生まれた。地球は47億年前に誕生した第二世代の星で地球内部のコアにある最も多い物質は核エネルギーが最も低く安定な鉄だという。
地球は地表から中心に向かって、化学組成の異なる地殻・マントル・核の3つの層で構成。地殻・マントルはケイ酸塩鉱物を主体とした岩石。
表層の低温部分(地殻からマントル最上部まで)は、厚さ約100Km程度の硬い岩盤(プレート)。大陸ではプレート上部は主に花崗岩などで構成され(大陸地殻:厚さ20-70Km)、海洋地域の玄武岩と斑レイ岩から構成される部分(海洋地殻:厚さ5~8km)の2種がある。
大陸地殻には地球史の中で古い(40億年前まで)岩石が存在し、海洋地殻は2億年以前の岩石がない。化学組成と年齢が二極化した地殻は地球の大きな特徴で、プレートの水平移動が地球表層と固体地球内部の物質循環を大きく支配。
海洋地殻は中央海嶺でマグマが上昇し固化することで誕生し、海洋プレートとして海嶺の両側へ移動。海溝に届いた海洋プレートはより軽い大陸プレートの下に沈み込み、地球内部に戻っていく。
プレート沈み込み帯深部では海洋地殻と一緒に沈み込んだ深海底の地層や海溝に流れ込んだ地層が高圧の下で変成岩に。変成岩を作るときに絞り出された水は、その上のくさび状マントルのかんらん岩を蛇紋岩に造り変え、さらに深部では岩石の溶ける温度を下げ(融点降下)マグマを作る。比重の軽いマグマはその上の古い地殻の中に貫入し、花崗岩を作る。マグマの一部が地表に到達すると火山となる。
日本列島はまさにそのプレート沈み込み帯に位置しています。
日本列島は約5億年前から沈み込み帯だったので、それを特徴づけるユニークな岩石や地層が多く分布。プレート沈み込みで発生したマグマからできた火成岩(安山岩や花崗岩など)、過去の付加体(海洋プレート層序を構成する堆積岩など)、沈み込み帯深部や近くの中でできた変成岩、さらにくさび状マントル岩(橄欖岩など)が変性した蛇紋岩など、多種多様な岩石や地層が日本列島の地殻を作っている。
高圧型変成岩とペアをなす花崗岩
日本列島には、青色片岩に代表されるプレート沈み込み帯深部でできた高圧型変成岩が産出しており、約4億3000万年前、3億2000万年前、2億年前、そして9000万~6000万年前のものがあります。地下深部でできた高圧型変成岩は、その後蛇紋岩に取り込まれたり、長さ数百Kmに達する変成帯として地表近くまで近くの中を上昇移動しました。約5億年前にひすい(ひすい輝石岩)は、沈み込み帯の上のくさび状マントルの蛇紋岩に伴ってできました。また、高圧型変成岩とペアをなして大規模な花崗岩が火山列の下に作られます。白亜紀のペアが有名ですが、それ以前のペアは破片でしか見つかっていません。ペアができて以降の海洋プレートの沈み込みがそれらを削って、マントルへ運び去ってしまったからだと考えられます。