日本が世界に誇る開発技術の一つに「QRコード」がある。

QRコードは、日本の企業「DENSO」(日本電装)の3人の技術者たちが自動車製造現場の要請を受けて取り組み、開発した技術だった。
鋳造の現場でも、いろいろな管理に利用され、日常生活では食事の注文・コンビニの決済・各種チケットの読み取りなどで、使わない日はないといってよいだろう。
QRコードが、どのようなニーズから開発に着手され、どんな苦労の末に開発できそれがISOに認証され世界80億人が日常に利用できるようになったドキュメンタリーがテレビで放映され、たまたま見る機会があった。

https://www.nhk.or.jp/nagoya/info/articles/310/015/09/
NHK名古屋
新プロジェクトX〜挑戦者たち〜 QRコード誕生〜夢路に咲いた世界標準〜
2025年8月21日

「QRコード」誕生の物語。少年時代に抱いた夢と父の言葉があるエンジニアの運命を動かした。
自動車部品メーカーの片隅で、仲間たちと執念でつかみ取った世界標準の奇跡。

コンビニ、空港、病院、あらゆる場所で使われている「QRコード」。
今や生活に欠かせない情報のインフラだ。GPSや無線LANと並び称される新時代の発明は自動車部品メーカーの片隅で始まった。
あるエンジニアが少年時代に抱いた夢と運命を動かした父親の言葉。
そして、不器用ながらも熱い思いを抱く仲間たちとの出会い。
無謀だと言われながらも、世界標準の夢に挑み続けた技術者たちの執念の物語である。
https://www.nhk.jp/p/ts/P1124VMJ6R/episode/te/V7K7L745R2/

そこで、電装のサイトから、技術者がいかに世の中に役立っているのかの事例として紹介する。

開発ストーリー紹介がこれだ。
 https://www.denso-wave.com/ja/technology/vol1.html

開発のコアになる部分が、紹介する部分だ。

新しい2次元コードの開発がスタート

2次元コードは、バーコードが横方向(1次元)にしか情報を持たないのに対し、縦と横の2次元に情報を持たせることができる特長がある。
原たちの開発チームは、たった2人で新しい2次元コードの開発をスタートさせた。
開発チームにとって一番の課題は、どうしたら高速にコードを読み取れるかという問題だった。2次元コードはバーコードに比べ、スキャナが位置を認識しにくいためである。

そんな中、原は「『ここにコードがある』という目印をつけたらどうだろうか」というアイデアを思いついた。
そのアイデアをもとに考案されたのが、コードの隅に配置された3つの「切り出しシンボル」だった。この印を2次元コードの中にいれることで、スキャナがコードの位置を正確に認識することができ、高速読み取りが可能になるのでは、と原は考えた。

しかし、切り出しシンボルの形状の開発は困難を極めた。
似た形状の図形がコードの近くにあった場合、正しく認識することができないためだ。
このような誤認をさけるため、切り出しシンボルは唯一無二の形状でなくてはならない。
そこで原たちは、チラシや雑誌、段ボールなどに印刷されている絵や文字をすべて白黒に直して、その面積の比率を徹底的に調べ上げることにした。
開発チームは数えきれないほどの印刷物の調査を日夜続け、とうとう印刷物の中で「一番使われていない比率」を突き止めた。それが1:1:3:1:1であった。

かくして切り出しシンボルの白黒部分の幅の比率が決められた。走査線が360度どの方向から通っても、この独自の比率を探せばコードの位置が割り出せる仕組みが生まれたのだった。

開発プロジェクトがスタートして1年半、幾多の試行錯誤の結果ついに数字で約7000文字、漢字の表現も可能という、大容量でありながら他のコードより10倍以上のスピードで読み取ることができるQRコードが誕生した。

 

 

電装のサイトから
https://www.denso-wave.com/ja/adcd/fundamental/2dcode/qrc/index.html

QRコード®とは

 

QRコード®は、デンソーウェーブが1994年に開発した2次元コードです。

QRコード®の特長

特長1:大容量の情報を小さなコードに表現

 QRコード®は、数字・英字・漢字・カナ・記号バイナリ・制御コード等のデータを扱うことが可能です。

特長2:小さなスペースに表示が可能

 QRコード®は、縦・横両方でデータを表現しているので、バーコードと同じ情報量であれば、10分の1程度の大きさで表示できます。

特長3:360°どの方向からでも、読み取りが可能

 QRコード®は、360°どの方向からでも、高速な読み取りが可能です。
 QRコード®の中の3ヶ所の切り出しシンボルにあり、背景模様の影響を受けない安定した高速読み取りができます。

特長4:汚れ・破損に強い

 QRコード®は、「誤り訂正機能」をもっているので、コードの一部に汚れや破損があってもデータの復元が可能※です。
 ※汚れ・破損の状況により復元できない場合があります。

QRコード®の種類

QRコード モデル1 モデル2

 モデル1は最初に作られた QRコード。最大バージョンは14 (73×73セル)で数字1167桁まで扱うことができます。
 モデル2は、モデル1を改良し、最大バージョンは40 (177×177セル)で数字7089桁まで扱うことができるコードです。現在、QRコードと言うと、一般的にはモデル2を指します。

 

マイクロQRコード

 最大バージョンはM4 (17×17セル)で数字35桁まで扱うことができます。切り出しシンボルが1つであり、より小さなスペースへの 印字を可能にしたQRコード。
 マージン(余白)も2セル分で十分機能します(QRコードは最低4セル分のマージンがコードの周りに必要)。

rMQRコード(2022年5月 ISO化)

狭いスペースに表示しやすい長方形のQRコードです。大小の切り出しシンボルを1か所ずつ配置し、読み取り易さと情報量を両立しました。R7×43(7セル×43セル)で数字12桁、最大のR17×139(7セル×139セル)で数字361桁まで扱うことができます。

フレームQR®

コード内に自由に使えるキャンバス領域を持ったQRコードです。
キャンバス部分に文字や画像を入れられるので、販売促進ツールや真贋判定コードとしてなど、様々な用途に利用できます。

 

SQRC®

データの読み取り制限機能を持ったコードです。プライバシー情報や社内情報の管理などに活用できます。
見た目は通常のQRコードと変わりありません。

 

QRコード30周年記念WEBサイト

QRコードの歴史や開発ストーリー

 
 

関連技術情報