鋳造や製鉄・鉄の機械加工の現場では、玉掛不要のリフマグがよく使われています。
しかし、その仕組みやいろいろな種類は、案外知られていないようです。
そこで、少し調べてみました。まだ納得まで行きませんが、実際に現場に使われているので私の理解が足りないのでしょう。解った部分をご紹介します。
基本は、磁力で鉄を吊り上げること
方式は、電流で吊り上げ力を調整しOnOffする方式か、永久磁石を利用し磁力をOnOffさせる方式の2種類。
電磁石方式の場合、直流方式と交流方式があり直流の方が安定した磁力がえられると。電磁気学を学べば、コイルに電流を流せば発生する磁界を利用し、さらに高い透磁率の物質を利用することで強い磁場を得ることが出来ることからイメージは湧きやすい。
一方で、重い鉄の吊り上げ目的に使われる永久磁石方式のリフマグがあるそうです。
Copilotの解説を紹介
永久磁石利用のリフマグには電流切り替えと手動切り替え
リフマグ(リフティングマグネット)は、主に鋼板や重い物体を磁力で吊り上げて搬送するために使用される装置です。
永久磁石を利用した電流切替式リフマグ
-
磁石の配置: リフマグには、アルニコ磁石とネオジム磁石が配置されています。これらの磁石は、同じ方向に配置されると強力な磁束を生成します。
-
磁束の生成: 電磁コイルに瞬時に通電することで、アルニコ磁石の磁界の向きがネオジム磁石と同極となり、強力な磁束が外部に出て吸着します。
-
吸着と釈放: 電磁コイルに逆方向に瞬時に通電することで、アルニコ磁石の磁界の向きがネオジム磁石と異極となり、磁束は内部で閉回路を形成し、外部に出ずに釈放されます。
このように、リフマグは電力を必要とせず、瞬時の通電のみで吸着・釈放が行われるため、省電力で安全性が高いです。
永久磁石利用の手動切替式リフマグ
こちらのCopilotの解説は意味不明なので解説ご紹介
-
磁石の配置: リフマグの内部には強力な永久磁石を外郭と回転部に配置。
-
操作レバー: リフマグには操作レバーが付いており、このレバーを手動で操作することにより、回転部の磁石の位置を調整します。
-
吸着状態: レバーを一方向に操作すると、永久磁石による磁界が外部に出て対象物に働き、強い磁力で対象物を吸着
-
釈放状態: レバーを逆方向に操作すると、磁石が移動し磁界がリフマグ内部循環となり、対象物との吸着が解除されます。この結果、リフマグは物体を解放。
このように、手動操作によって磁石の働きを制御することができるため、電力を必要とせず、簡単に吸着と釈放を行うことができます。
ハンドル切り替えと内部の永久磁石の位置関係を図で解説する記事があったのでご紹介
ただ、説明には疑問が残ります。つり上げ材料がない状態でOffの時は、内部でN-Sが引き合っていてハンドルを動かすとS-Sの反発帯を通過する必要があり、切り替え動作には大きな力が必要に思える。
https://firstec.co.jp/products/elm/elm-1000/
FIRSTEC社の解説です。
●リフティングマグネット使用方法
左記図1のようにハンドルがOFFの状態のときは、緑色の軸心の磁極と本体の磁極が反対となり、内部で吸着し、本体の外部に磁力が漏れることがありません。
しかし図2のようにハンドルをONにすれば、内部の磁極が同じになり、リフマグの吸着面に磁性体がある時に限り磁極線は大きく外部を通ってS極からN極へと向かいます。
しかし、反対にリフマグの吸着面に磁性体がないときは内部で同じ磁極同士が非常に強く反発しあうためハンドルが重くなりONの状態にならないようになります。
リフマグに使用されている磁石は永久磁石なので、出てくる磁力線は一定です。このため、図Aのように吊り荷の重さが薄い時、リフマグの磁力線が一部しか吊り荷に及びません。
このため、吸着力が弱く、反発力が残ることとなります。図Bのように吊り荷の厚さが十分に厚いと、磁力線が完全に吊り荷に及びますので、完全に吸着します。
堀冨商工株式会社のHPより、電流パルスで内部の一部を磁性反転させ、マグ・脱マグさせる方式の解説記事引用紹介
このHPの解説と図解は、電磁気学的には理解しがたい部分があるが、現場では機能するということから、メカニズム理解のヒントになりそう。
電磁永久磁石とは、電磁石と永久磁石のアップグレードされたハイブリッドシステムであり、外部磁場は、磁石の一部に巻き付けられたワイヤの電流パルスによってオンまたはオフに切り替えることができますが、維持するために電気を必要としません。
電子永久磁石の仕組みをご紹介します。永久磁石には 2 つの磁性材料が含まれており、1 つは硬磁性 (Nd-Fe-B など) と半硬 (アルニコなど) で、両端が軟磁性材料 (鉄など) で覆われ、コイルで巻かれています。
吊り上げ時の極性の電流パルスが材料を一緒に磁化し、磁束の外部の流れを増加させます。
反対極性の電流パルスは、半硬質材料の磁化を反転させますが、硬質材料は変化させません。これにより、磁束の一部またはすべてがデバイス内を循環するように迂回され、外部磁束が減少します。
解説サイト紹介
TDKのサイト
じしゃく忍法帳
第104回「磁石の吸着力の活用法」の巻 https://www.tdk.com/ja/tech-mag/ninja/104
は、いろいろな方式のリフマグを磁界とヨークをまとめて解説していてわかりやすい。