電気同士にはクーロンの法則にしたがう力が働く

クーロンの法則

  • 電荷間の力は、電荷の量に比例し、その距離の2乗に反比例する=>近距離ほど大きい力
  • 電荷の符号に依存する引力と反発力がある。

F :電気力

k :クーロン定数

q1,q2:電荷

r: 距離

クーロンの法則の比例定数k:  9.0×109[Nm2/C2]

電気素量:  1.6×-19C

陽子の質量 = 1.67262192 × 10-27 キログラム

原子核の大きさは1014メートル程度

ヘリウムでは陽子が2個、原子核内の2つの陽子間に働く反発力は、約1N程度で質量の小さな陽子に働くことを考えるととんでもなく大きな力ですね。
ニュートンの 力と加速度の関係式 F=mα にこれを入れると

加速度α=1/( 1.67262192 × 10-27)
    =6x1026m/s2

光の速度が3x10m/sなので、いかにとんでもない大きさの加速度なのかが解ります。核分裂反応では電磁気力でこの加速度で飛び出す(但し加速時間はごく短い)。
※核反応で発生する高速中性子の速度は、平均秒速2万kmです。これは、光の速さの約20分の1の速さ
※原子の大きさ(直径)はおよそ1010メートル(1Å。 Åはオングストローム)なので、原子核の大きさは原子の大きさの1万分の1程度!

なぜ原子核の中に電気的に強く反発する陽子が入れるのか?

陽子がプラスの電荷を持っているため、互いに反発し合いますが、原子核を形成できるのは「強い力」(強い相互作用)のおかげです。この力は、陽子や中性子を結びつける非常に強力な力で、電磁気力の約100倍の強さを持っています。

強い力は非常に短い距離(約10-15メートル)でしか作用しませんが、その範囲内では陽子同士の反発力を圧倒し、原子核を安定させます。このため、陽子が集まっても原子核が崩壊せずに存在できるのです。

名古屋市科学館の解説紹介

http://www.ncsm.city.nagoya.jp/study/science_qa/post_76.html

Q. 原子核は+の粒子が集まっているのに、なぜ反発しあってばらばらにならないのかですか?  物理 / 原子核

A. 原子核の陽子や中性子は「強い力」と呼ばれる力によって結合しています。

私たちの住んでいる世界には次の4つの力があります。

「重力」「電磁気力」「強い力」「弱い力」の4つです。

質問では反発してばらばらにならないのか?とありますが、これは電磁気力による反発力のことですね。
強い力は電磁気力の100倍ぐらい強いので、電磁気力による反発よりも強い力によって陽子や中性子はつなぎとめられているのです。
ただし、強い力が影響を与えることができるのは原子核内ぐらいの非常に狭い範囲内なので、日常生活では強い力を感じることはできません。

 

佐賀大学理学部物理 船久保教授ラボの解説

https://astr.phys.saga-u.ac.jp/~funakubo/BAU/chapter3/chapter3-2.html

宇宙の物質の起源 原子核を作っている力

原子核を作っている力

 

 

原子から分子を作っている力、そして電子と原子核から原子を作っている力は電磁気力でしたが、陽子や中性子から原子核を作っている力は何なのでしょう?

プラスの電荷を持った幾つかの陽子には反発する電磁気力がはたらくので、電磁気力では原子核を作ることは出来ません。そのような陽子が原子よりもずっと小さな場所に押し込められているわけですから、明らかに原子核を作っている力は電磁気力よりも桁外れに強いはずです。

原子の組み替えが起こる化学反応でエネルギーが出し入れされるように、原子核の組み替えの際にもエネルギーが出入りしますが、その桁が大きいことは想像できるでしょう。
このエネルギーを利用したのが原子力発電です。

以下省略