岡山県玉野市には三井造船とその鋳造部門としての鋳鍛課が船舶用の鋳造品を製造し、現在の三井ミーハナイト・メタルの鋳鋼事業部となっています。その技術と会社の変遷の歴史が三井ミーハナイト・メタル株式会社の会社沿革に記載されています。当支部の鋳造技術の一つの源流となります。
以下に、会社のHPの沿革と玉野事業所紹介から一部をご紹介。日本の鋳造が景況の浮沈や経営の荒波の中で、離合集散を繰り返しながら、鋳造技術を守り続ける様が見て取れるので、歴史資料にもなっています。
公式HPにはまだ記載されていませんが、最近では四国・香川県の讃岐鋳造鉄工株式会社の株式35%取得し関係会社として経営者などを派遣し支援しています。

三井ミーハナイト・メタル株式会社沿革 よりその略歴

  • 1964年2月
    三井造船(株)の全額出資により東海鋳造(株)を設立
    ミーハナイトメタル社(米国)とミーハナイト製造法のライセンス契約
  • 1986年7月
    東海鋳造(株)が旧三井ミ-ハナイト・メタル(株)を合併し
    三井ミ-ハナイト・メタル(株)に社名変更
  • 2003年4月
    伊達製鋼(株) (三井造船(株)100%子会社)と合併
  • 2006年4月
    三造メタル(株) (三井造船(株)100%子会社)と合併

HISTORY

  

沿革

沿革

東海鋳造株式会社の略歴

  • 1964年2月
    アメリカのミーハナイトメタル社の特許であるミーハナイト鋳鉄およびダクタイル鋳鉄等を
    製造販売する目的で三井造船(株)の全額出資により設立
  • 1965年4月
    岡崎工場の操業開始
  • 1970年1月
    東京ミーハナイト鋳物(株)を合併
    従来の東京ミーハナイト鋳物(株)大崎工場を東京工場に変更 
  • 1972年11月
    東京工場を岡崎工場に吸収するとともに東京営業所を開設
  • 1981年1月
    篠山鋳鉄(株)が、石原鉄工(株)を合併し社名を三井ミーハナイト・メタル(株)に変更

伊達製鋼株式会社の略歴

  • 1937年10月
    (株)福島電気製鋼所を設立
  • 1938年7月
    (株)福島製作所に合併
  • 1953年12月
    (株)新福島製作所および福島製鋼(株)を現物出資により分離設立
  • 1957年8月
    伊達製鋼(株)伊達工場を現物出資により分離設立
  • 1958年11月
    伊達製鋼(株)伊達工場の商号を伊達製鋼(株)に変更
  • 1974年4月
    三井造船(株)が経営に参加

三造メタル株式会社の略歴

  • 1919年11月
    三井造船(株)の鋳鍛課として製造開始
  • 1986年5月
    三井造船(株)より分社、三造メタル(株)設立

篠山鋳鉄株式会社の略歴

  • 1969年3月
    機振法に基き通産省の指導を得て関西工作機械グループ13社が
    鋳鉄部門を協業化する目的で共同出資により設立
  • 1972年4月
    不況により操業停止、休業
  • 1972年7月
    三井造船(株)が全株式を取得し経営に参加
  • 1976年7月
    ミクニ・ミーハナイト鋳物(株)と合併
  • 1981年1月
    石原鉄工(株)と合併し、三井ミーハナイト・メタル(株)に社名変更

ミクニ・ミーハナイト鋳物株式会社の略歴

  • 1953年1月
    三井造船(株)の全額出資により設立。
    三国工場、神戸工場(昭和32年5月)にてミーハナイト鋳鉄の生産販売
  • 1972年3月
    市街地における操業が困難となり、神戸工場閉鎖
  • 1973年7月
    市街地における操業が困難となり、三国工場閉鎖

石原鉄工株式会社の略歴

  • 1929年11月
    石原信男氏が個人営業にて石原鋳造工場を創設
  • 1961年11月
    (株)組織とし、石原鉄工(株)に社名変更
  • 1968年5月
    ミクニ・ミーハナイト鋳物(株)が経営を引継

事業部の特色 -玉野鋳鋼事業部

当支部地域にある、岡山県玉野市には鋳鋼事業部があります。 https://www.m-meehanite.co.jp/feature_tama

世界中の船級協会から工場承認を受け、舶用DEエンジン
部品を主に製造しています。

 

玉野鋳鋼事業部の特色

玉野鋳鋼事業部は岡山県玉野市に工場を構えており、目の前には美しい瀬戸内海が広がっています。
1919年に三井造船社の鋳造部門としてものづくりを始め、100年の歴史があります。
大型船舶用ディーゼル部品、回転機部品、各種大型ケーシング部品の鋳鋼品製造を行っており、中でもディーゼルの駆動に直接関わってくる連接棒は厳しい要求のもと長年培ってきた技術を結集させ製造しております。
溶解設備のアーク炉においては最大14T/チャージの溶解能力があり、3T~6T程度の製品を得意としております。
鋳物工場としてクリーンで快適な環境・職場づくり、さらなる技術・品質向上を追求し、 お客様に満足して頂けるよう努力し続けております。

主要生産設備

  • 溶解関係
    溶解関係

    エルー式電気炉 14t×1基

    高周波誘導炉 10t×2基

    材料投入機 2台

    590t油圧シャー 1基

  • 造型関係
    造型関係

    造型:20t/h定置式連続ミキサー

    有機自硬性鋳型(アルカリフェノール)

    造型:
    25t/h走行式連続ミキサー ・ 20t/h定置式連続ミキサー ・ 15t/h定置式連続ミキサー ・ 8t鋳型反転機 ・ 30kg/Bスーパーミキサー
    中子:
    30kg/Bスーパーミキサー ・ 10t/h中子ミキサー ・ 中子乾燥炉
    砂処理:
    20t/hコア−ノックアウトマシン ・ 10t/h鋳物砂回収装置 ・ 20t/h鋳物砂再生装置 ・ 10t/h鋳物砂空気輸送装置 ・ 磁選機

     

以下省略

注:エルー炉とは?
 炉内に鉄スクラップを装入し、これと 3 本の人造黒 鉛電極との間に三相交流アークを発生させ鋼を生産する最初のアーク炉は、1900 年にフランス人 ポール・ エルー(Paul Héroult)が発明し、エルー炉と呼ばれ ている。