核融合では、水素原子の重水素(中性子1個)とトリチウム(中性子2個)が、核融合し中性子2個のヘリウムと中性子1個ができ、発生した質量欠損に相当する莫大なエネルギーが放出される反応を利用。
国立科学技術研究開発機構 の先進プラズマ研究開発 から部分引用でご紹介
誰でも分かる核融合のしくみ
核融合が起こるとどうなるの?
https://www.qst.go.jp/site/jt60/4934.html
核融合反応が起こると、非常に大きなエネルギーが発生します。
これは、図に示すように、融合反応が起きる前の重水素(D)と三重水素(T)の重さ(質量)より、融合反応が起こった後のヘリウムと中性子の重さの方が軽いので、その差の分だけの質量がエネルギーに変わるからです。
その際には、有名なアインシュタインのエネルギー E が質量 m と等価であるという原理(E=mc2)により、わずかな質量が非常に大きなエネルギーに変わります。
減少した質量分がエネルギーに変わる
「非常に大きなエネルギー」とは、どのくらいの大きさなの?
https://www.qst.go.jp/site/jt60/4935.html
たった1グラムの DT 燃料の核融合反応から発生するエネルギーは、タンクローリー1台分の石油(約8トン)を燃やしたときと同じだけの熱に相当します。
この核融合エネルギーを発電などに利用するために核融合研究を行っています。
どのようにすれば核融合反応を起こすことができるの?
核融合反応は、2つの原子核どうしを衝突させて融合するものです。
※ 2つの水素原子の陽子の+電気同士の反発力より「強い力」の核力が働くように水素原子を衝突させる。
原子核は両方とも正の電荷を持っているため、早いスピードでぶつけないと正の電荷どうしの反発力で衝突しません。
衝突させるために必要なスピードは、毎秒1千km以上です。
このスピードは重水素(D)と三重水素(T)を1億度以上の温度に加熱することにより得られます。
このような高温では、DとTはプラズマという状態になっています。
1回の核融合反応が起こっても、その結果出てくるエネルギーが次の核融合反応を起こすために他の原子核を1億度以上に加熱するのに使われなければ、核融合反応は連続的に起こりません。
そのためには、核融合の燃料である原子核を「たくさん(高い密度で)」、「長い時間」一定の領域に閉じ込めておくことにより、核融合反応を連続して起こすことができます。
正電荷どうしの反発力に打ち勝って衝突するには 1000km/秒のスピードが必要
プラズマって何?
温度の上昇とともに物質の状態は一般に固体から、液体、気体へと変化してゆきます。
さらに高温では、原子核のまわりを廻っている電子がはぎとられて原子は正の電荷を持つイオンと負の電荷を持つ電子に分かれて(イオン化といいます)、両者が高速で不規則に運動している状態になります。
この状態をプラズマといいます。
核融合では、温度が数億度に及ぶ超高温プラズマが対象となります。
プラズマは雷やオーロラなど自然界に広く存在しますが、身近な例としては蛍光灯などの希薄な気体中の放電によって作られるプラズマがあります。
水の4態
googleのAI gemini(ver2.0)に、下記の質問を行った結果を記載します。
ポイントは、
磁界に置かれた荷電粒子は、磁界方向の運動成分は影響受けないが、「磁界」に垂直方向の「運動成分」は「磁界と動く方向に直角な力」を受け続けることで、「らせん状の運動」を行い磁界から出られなくなる。
これは、紐つけておもりを振り回す動きと同じです。円運動は、進む方向には加減速の力が働かず、その直角方向に力が加わり続ける運動です。回転半径は、遠心力と直角方向に働く力が釣り合う長さになります。軽い電子の回転半径は小さく、重い陽子や中性子の原子核の半径は大きくなります。
アイススケートで、スケーターの動きに対してスケートブレードが斜めになると氷から力を受けてスケートリンクを周回できるのも同じ。
ジャイロやコマを、重力や外力で倒そうとすると、倒す動きと直角方向の力が発生し歳差運動するのも同様(コマの回転部の慣性力がコマを倒す動きに対して左右で上下反対方向に働くために発生)。
身近では、自転車が前輪操作や体を傾けることで地面から進む方向と直角方向の力を受けて方向を変え、周回できる。
サーカスで、大きな球体の中をバイクが回転するのも同様。
下図で、紙面の上から下方向に磁界が存在するとき、〇の陽子が動くと発生する力は?
1.紙面に上下方向の動きは磁界から力を受けずそのまま動く
2.磁界に直角方向の動きは、磁界から磁界に直角な右ねじ方向のローレンツ力だけを受け、動く方向には力を受けないから、遠心力と釣り合う等速円運動になる。
この結果、陽子や電子は強い磁界の中では磁界の外に出ることができず、閉じ込められる。
Q: プラズマと磁界の中での運動を物理学で解説して
プラズマと磁場中の運動
プラズマは、原子核と自由電子に電離した気体であり、宇宙空間や高温の環境に存在します。磁場中でプラズマ中の荷電粒子(イオンと電子)は、ローレンツ力と呼ばれる力を受け、特有の運動をします。
1. ローレンツ力
磁場中の荷電粒子が受ける力は、以下の式で表されます。
F = q(E + v × B)
ここで、
- F: ローレンツ力
- q: 荷電粒子の電荷
- E: 電場
- v: 荷電粒子の速度
- B: 磁束密度
この式からわかるように、磁場中の荷電粒子は、速度と磁場の両方に垂直な方向に力を受けます。
2. 磁場中の荷電粒子の運動
磁場中を運動する荷電粒子は、ローレンツ力によってらせん運動をします。
- 円運動成分: 磁場に垂直な速度成分によって生じます。
- 直線運動成分: 磁場に平行な速度成分によって生じます。
らせん運動の半径(ラーモア半径)は、荷電粒子の速度、電荷、磁束密度に依存します。
3. プラズマの閉じ込め
磁場は、プラズマを閉じ込めるために利用されます。磁気ボトルと呼ばれる磁場配位では、プラズマ粒子は磁力線に沿って運動し、磁場が強い領域で反射されます。この原理は、核融合研究において、高温プラズマを閉じ込めるために応用されています。
4. プラズマ中の様々な現象
磁場中のプラズマは、様々な現象を引き起こします。
- 磁気流体不安定性: プラズマの圧力や磁場の不均一性によって発生する不安定現象
- アルヴェン波: 磁場中のプラズマを伝播する波動
- 磁気リコネクション: 磁場の繋ぎ替えによってエネルギーが解放される現象
これらの現象は、宇宙空間や実験室で観測されており、プラズマ物理学の研究対象となっています。
5. 応用
磁場中のプラズマの運動は、様々な分野に応用されています。
- 核融合: 高温プラズマを閉じ込めて核融合反応を起こす
- プラズマ推進: プラズマを加速して宇宙機を推進する
- プラズマディスプレイ: プラズマ放電を利用して画像を表示する
まとめ
プラズマと磁場中の運動は、プラズマ物理学の基本的な概念であり、宇宙空間から身近な応用まで、幅広い分野で重要な役割を果たしています。
より詳しく知りたい場合は、プラズマ物理学の専門書や論文を参照してください。