講演会概要
講演1:「MAGMASOFT最新情報と粒子法流体解析Next flowの概要」
SCSK㈱ 製造エンジニアリング事業本部 解析ソリューション第一部、小川 記男 氏、藤枝 忠臣 氏
本講演の前半は、国内外のトップエンタープライズで利用されている鋳造プロセス解析ソフトであるドイツMAGMA社の“MAGMASOFT”について、最新情報を提供いたします。現時点でリリースされている最新版のv5.4.2における各機能(ダイカスト新ソルバー、フリービューワー)紹介の他、開催されたばかりの国際ユーザー会から、提供可能な範囲で最新トピックスの一部を紹介いたします。
また後半では、フランスNextflow Software社のソリューションを紹介いたします。Nextflow社では、長年の流体解析技術の研究成果を元に、汎用粒子法流体解析ソフトである“SPH-flow”を提供しています。この粒子法流体解析ソルバーである“SPH-FLOW”の概要と特徴および、解析事例をご紹介します。また、プリポストとなる“NEXTFLOW STUDIO”についても画面イメージを交えて概要紹介を行います。
講演2:「スパーク発光分光分析の基礎と応用」
㈱島津製作所 スペクトロビジネスユニット プロダクトマネージャー 及川 誠一 氏
組成分析に用いられる主な分析装置を紹介し。その一つであるスパーク発光分光分析装置について発光分析の原理から説明を行い、その特長を紹介する。また、スパーク発光分光分析装置を用いて分析を行う上での注意点も解説する。
さらにスパーク発光分析装置の基本的な内容に加えて分析の応用例として、鉄鋼やアルミニウム合金における微量元素の高感度分析や介在物元素の分析および評価方法について紹介する。さらに安定した分析精度、安全性、データ信頼性の確立と生産性の向上を目的として当社が長年取り組んできたスパーク発光分光分析装置の自動化システムについて最近の取り組みを紹介する。
講演3:「金属3Dプリンタの開発動向と今後の展開」
近畿大学 次世代基盤技術研究所 特任教授 京極 秀樹 氏
金属3Dプリンタによる造形技術は、鋳造や機械加工などの従来の加工法では成形が難しい三次元複雑形状品の加工ができることから、次世代のものづくりにおいて重要な地位を占めてきている。とりわけ、欧米や中国では重要な加工技術となっているが、我が国においては導入の遅れが指摘されている。
本講演では、金属3Dプリンタによる造形技術の最新動向について、装置開発、材料開発及びソフトウェア開発の視点から述べるとともに、DfAM(Design for Additive Manufacturing)と呼ばれるこの分野における設計法についても紹介する。また、本技術はデジタル・マニュファクチャリングの一翼を担っていることから、今後の展開を考えた際に重要となるモニタリング技術やシミュレーション技術の開発状況、さらには欧米でのスマートファクトリ―への導入事例についても紹介する。