オンライン講座「鋳造の基礎講座」第6回(最終回):
「銅合金の鋳造技術,最近の積層鋳型技術及び鋳物の変形と残留応力予測の研究動向」開講のご案内
公益社団法人日本鋳造工学会では,コロナ禍においても人材育成が必要との観点から,若い人に向けて鋳造の基礎から応用までをわかりやすく学べる「鋳造の基礎講座」を無料で開設することとしました.オンラインで無料の講座であることから会員を対象としています.
講座は,月1回,下記のスケジュールで行ってきました.今回はいよいよ最終回です.鋳造の各分野を専門家が解説するこの機会をぜひご利用いただき,鋳造工学への理解を深めていただきたく,どうぞ積極的にご参加ください.講師はすべて学会の本部理事が務めています.
参加方法
【日本鋳造工学会会員の方(正会員・維持会員・学生会員・外国会員)】
・7月1日配信のメールマガジンに記載されているURLから「鋳造の基礎講座」のサイトにアクセスし,申込フォームに必要事項入力の上送信ください.折り返し参加方法を記したメールが届きます.
・メールマガジンが届かない,あるいはメールアドレス未登録の方は下記フォームからお申込みください.折り返しご案内を送信します(次回もメールマガジンでご案内を配信しますので,メールアドレスをご登録(更新)いただくことをお勧めします).
↓こちらからご登録ください↓
【会員以外の方】
・下記より,日本鋳造工学会へのご入会手続きをお願いいたします.
・本講座参加者の方は入会金が無料になります.この機にぜひご入会ください.
入会申込フォーム最下部の備考欄に「鋳造の基礎講座聴講希望」とご記入ください.
↓入会はこちらから↓
【 第6回 】「銅合金の鋳造技術,最近の積層鋳型技術及び鋳物の変形と残留応力予測の研究動向」 7月17日(土) 13:00~17:10
1)13:00~14:00 舟木克之(㈱明石合銅,本会理事)
テーマ;銅合金鋳物の特長と用途
・銅合金鋳物の特徴と種類
・銅合金の凝固
・各種銅合金鋳物の性質(鉛フリー銅合金を除く)
・銅合金鋳物の高付加価値化(AGバイメタルを事例として)
銅鋳物は優れた導電性や熱伝導率,耐食性,被削性が良いなどの物性を持ち,青銅系や黄銅系など多くの系統がそれぞれ特化した特性を持っています.本講座では,日本の銅鋳物産業の概況や銅鋳物の凝固特性,合金種ごとの特長や用途,銅合金と鋼の接合技術について解説します.
2)14:00~15:00 講師:村田秀明(前澤給装工業㈱,本会理事)
テーマ;鉛フリー青銅鋳物の基礎
・量産化、JIS化までの経緯
・製造、品質管理上の注意点
・今後の課題
水道水の鉛浸出基準を満たすために開発,実用化された鉛フリー青銅鋳物についての概略を述べる.水道用のバルブや継手といった給水装置製品に求められた水質基準厳格化への対応,各種鉛フリー青銅鋳物の開発からJIS化までの経緯,実用化された鉛フリー青銅鋳物の特長などを簡単に紹介する.
<10分間休憩>
3)15:10~16:10 講師:吉田 誠 (早稲田大学,本会理事・人材育成委員長)
テーマ;鋳物の変形と残留応力予測の研究動向
コンピュータシミュレーションによる鋳物の冷却時に発生する反り変形や残留応力の予測は,流動凝固解析に引き続き,鋳型と鋳物の双方を含めた熱応力解析を実施する必要があることから,難易度がさらに上がるため,我が国のCAEロードマップ上で鋳巣予測よりも先の課題に位置づけられている.しかし,世界的にはドイツ・米国を中心に,研究段階から実生産適用段階に入りつつある.本論では鋳物の変形や残留応力の発生過程について実験例を中心に紹介し,計算例についても紹介する.
4)16:10~17:10 講師:岡根利光 (ものつくり大学,本会理事・編集委員長)
テーマ;積層造形技術による金属部材製造
形を作るという観点で鋳造技術と3Dプリンターの親和性は高く,鋳造用の模型や精密鋳造ワックスモデル造形,近年では鋳型の直接造形などでの活用が進められてきました.一方,金属部材を直接造形する技術も開発が進み,複雑形状を実現するとともに,組織制御等による機能付与も模索されています.金属部材製造という観点で3Dプリンター技術の現状と課題,今後の展開について紹介します.