身の回りに数多くある鉄、家庭の中で毎日使う包丁・カミソリ・ハサミ・ボルトナット・家を作る鋼材や木材を止める釘やネジ、車やバスや電車の鋼板・鋼材や部品、橋やビルの構造を作る鋼材など、まさに鉄の時代です。鉄がなければこれらもできないのです。明治維新後、富国のために真っ先に取り組んだのは近代製鉄の導入で西洋高炉が北九州に建設され、製鉄工場は日本近代化を担う重工業の代表選手でした。
しかし、その性質や特徴や色々な種類の呼び方は案外知られていません。

日本古代から中世までは、たたら製鉄という方法で低炭素鋼を作り、鍛造で農機具・包丁・大工道具・武具・刀などを製造し、その後鉄を溶解して釜や五右衛門風呂などもできるようになりました。日本料理の繊細な食事の料理人の包丁や、浮世絵や瓦版や書物などの文字やルビなど超精細な板版画の彫りはカミソリレベルの鋭い切れ味の多様な鉄道具がなければ不可能でした。

現代の製鉄所では、日本ではおおよそ年間1億トン程度の鉄材料を生産しています。
身の回りで特に多いのが自動車や家電で使われるプレス材料の薄い冷延鋼板SPCCで極低酸素鋼板の特徴は柔らかくよく伸びること、次に多いのが熱延鋼板SPHCで、こちらは自動車の部品や機械の構造部分で溶接やプレス加工のしやすい材料で、これらは製鉄所ではトイレットペーパーのようにコイル形状に巻き取られて製造されます。
更に強度が必要な部品建設材料や造船には炭素鋼と呼ばれるSS材が製鉄所で、更に強度や硬度が高く焼き入れなどの熱処理ができるのがS45Cなどは特殊鋼メーカーが製造を担当。

様々な添加剤を入れて、錆びないステンレス鋼(SUS)や、電気製品に利用される電磁鋼板(極薄で電気絶縁の表面処理した鋼板)や、Mnを入れて耐熱性高めたものや、Crを入れて硬度を上げてボールベアリング成型する材料など、それこそ多様な種類を作ることができるのが鉄なのです。

お米でいえば、おかゆや柔らかい搗き立て餅から、固くて歯が立たないせんべいや、カビの生えない餅など、多様多彩なものが作れるのが鉄ですね。

ここでは、大量に作られる鉄についてご紹介。

 
9種類の鉄鋼を徹底解説 | 材質や特徴についてもご紹介
 https://www.nanjyo.co.jp/pickup/blog-steel-type/
 南条製作所さんの解説ページです

(まとめ)鉄鋼材料・材質には、さまざまな種類があり、主に下記の3つに分けられます。

  1. 炭素鋼
  2. 合金鋼
  3. 鋳鉄

炭素鋼と合金鋼はその中でもさらに細かく分かれ、それぞれ特性を持っています。日本でのいろいろな種類の鉄と工業的名称を解説。

鉄って何?
 https://www.nipponsteel.com/company/tour/about_iron.html
 日本製鉄が、人類が鉄をいつどのように使い始めたかも解説
 ・鉄と現代社会
 ・鉄の起源  隕鉄・自然製鉄?(生活の中の炉で偶然生成説など)
 ・鉄とは   元素記号、地殻中の形と量、性質
 ・鋼(はがね)とは  炭素を添加した鉄の性質

宇宙の起源と鉄の誕生
 当支部が日本製鉄の資料を引用紹介 ビッグバンとその後の超新星爆発で生成された最も安定な元素:鉄が最も多い奇跡の地球!
 https://jfs.or.jp/jfs-cs/bigban-fe-001/