岩手県工業技術センター 岩清水 康二
今年度で第16回となる東北支部YFE大会が平成19年11月13日、14日の2日間にわたり、秋田市の秋田温泉プラザにて開催されました。各県より、若手技術者を中心に、30余名が集い、日頃の成果や研究の報告に互いに耳を傾け合う充実した時間を持つことが出来ました。以下、開催内容についての概要を示します。
第1日目(11月13日)
1. 開会の挨拶
東北支部YFE会長 秋田県産業技術総合研究センター 内田 富士夫 氏
東北支部長 秋田大学工学資源学部 麻生 節夫 氏
2. 会計報告
(代理)秋田県産業技術総合研究センター 内田 富士夫 氏
3. 事例・研究紹介
(1)2023ハウジング硬さの安定化について
北光金属工業㈱ 田口 学 氏
(2)Mg合金の特性について
(地独)岩手県工業技術センター 岩清水 康二 氏
(3)球状黒鉛鋳鉄の諸特性に及ぼす接種剤の影響
㈱水沢鋳工所 田村 直人 氏
(4)音速測定による球状黒鉛鋳鉄の材質評価
㈱ハラチュウ 河内 美穂子 氏
(5)X線CTによる内部観察とその応用について
秋田県産業技術総合研究センター 内田 富士夫 氏
4. 特別講演会
状態図と凝固について
岩手大学工学部 晴山 巧 氏
5. 交流会
第2日目(11月14日)
工場見学
(1) 北光金属工業㈱
(2) ㈱東北機械製作所 マテックス事業部
開催に先立ち、永年にわたり鋳造業界の振興・発展にご尽力下さいました大平 五郎先生の訃報に対し、参加者全員で黙祷を持って哀悼の意を捧げた後の開会となりました。
講演会は、現場改善事例や品質管理紹介、非鉄、設備機器紹介等幅広い発表に活発な議論があり、YFE大会に相応しい有意義な講演会となりました。更に、特別講演として岩手大学 晴山先生より状態図と凝固について基礎からその応用について講演を頂きました。
YFE大会に欠かせないプログラムでもある交流会では、各県、各々の職場の垣根を越え、どんどん出てくるお酒を片手に和気藹々と楽しく交流できました。
工場見学は、ダクタイル鋳鉄としては、東北、北海道では、第1号のJIS工場である北光金属工業㈱さんを見学させていただきました。全国でも有数の水道管継ぎ手メーカーとして、また、JIS表示許可工場とあって、全数検査など品質管理に気を配られているとのことでした。次に、㈱東北機械製作所 マテックス事業部さんを見学させていただきました。鋳鋼からアルミニウム合金まで多素材を広く製造されており、特に建機に用いられる大型特殊鋳鋼では、鋳造から、熱処理、非破壊検査まで一貫して製造されておりました。両社とも、ご多忙中にも関わらず、見学を快諾いただき、また、丁寧に説明いただきましたことに心より感謝申し上げます。