1. はじめに
昨年に引き続き会場を、奥州市鋳物技術交流センター(兼:岩手大学工学部附属鋳造技術研究センター)にて行った。また、これまで内容が鋳鉄に偏っているのではというご指摘も有り、今回、非鉄特集ということで、第7回の夏期鋳造講座を企画した。
内容的には、非鉄関係、特にアルミニウムをメインに講座を考えることにした。しかし、講師選びに四苦八苦で、岩手県非鉄金属加工研究会のメンバーに講師を捜して頂くことにした。東京工業大学名誉教授の神尾彰彦先生に「アルミの溶湯処理と改質機構」ということで、初日の特別講演をお引き受けして頂いた。神尾先生には、実習を含め最後までお世話になった。
講師陣も確定し、関連企業等に案内を差し上げたが、参加者の出足が悪く、少々不安になった。最終的には16名の受講者が集まった。
これまでも夏期鋳造講座について支部会報に掲載してきたが、今回は非鉄関連を中心に簡単に内容を紹介する。
2.夏期講座の概要
第7回 (社)日本鋳造工学会東北支部、夏期・鋳造講座プログラム
主 催:(社)日本鋳造工学会東北支部
共 催:岩手県非鉄金属加工研究会、奥州市鋳物技術交流センター、
岩手大学工学部附属鋳造技術研究センター
開催時期:平成19年9月5日(水)~9月7日(金)の3日間
場 所 :奥州市鋳物技術交流センター
奥州市水沢区羽田町字明正131
日 程:
9月5日(水) 12:30~ 受付
12:50 オリエンテーション 担当理事 小綿利憲
○ 13:00~13:10 開講式 岩手大学工学部附属鋳造技術研究センター
センター長 堀江 皓
○ 13:15~15:15 「鋳造工学全般の講義」 岩手大学 堀江 皓
○ 15:30~17:30
「アルミの溶湯処理と改質機構」
東京工業大学名誉教授 神尾彰彦
神尾先生の特別講演の様子
【内容】
鋳造欠陥の生成に影響を与える溶湯に係わる因子(ガス、介在物、合金元素、不純物元素)特に介在物の除去について詳細に解説をして頂いた。
9月6日(木)
○ 9:00~10:00 実習の説明 岩手県工業技術センター 池浩之
○ 10:00~15:00 実習
アルミの溶解と鋳造・引張試験(DC品と砂型(共晶・過共晶・微細化))
岩手県工業技術センター 池 浩之、高川貴仁、岩清水康二
岩手大学工学部付属鋳造研究センター 多田 尚、菊地一貴
岩手大学技術部 小綿利憲
【内容】
アルミを溶解し、減圧凝固試験装置によるガス欠陥の試験、砂型試験に鋳込み引張試験片の作製と試験、さらに微細化剤添加による組織の違いについて顕微鏡観察試料の作製から組織観察も行った。