Vol.91No.11 北海道支部YFEの2019年度の活動
今月のYFEだよりは北海道支部からお届けします.NHK連続テレビ小説『なつぞら』で有名になった帯広での乳製品の工場見学や農業機械メーカーの見学など,北海道ならではの活動の様子を紹介します.
北海道支部のYFEの活動として,若手技術者の研修を毎年続けています.本年度は朝ドラの「なつぞら」一色の帯広にて鋳造現場技術研修会の見学会を開催しました.帯広地区には鋳造関係の工場が少ないため,十勝の主力産業である食品を含めた種々の業種の見学を行いました.また,今回は若手技術者向けの見学会のほか学生向けのコースも別途用意する形式としました.
若手技術者向けには,牛乳・乳製品の生産を担うよつ葉乳業十勝主管工場を見学しました.鋳造とは無縁の業種ではありますが,原料の受け入れから製造・検査・出荷に至る過程は同じものづくり産業として通じるところもあります.また,乳牛の餌に入れるミネラル成分は,鋳造資材の商社が扱っており,思わぬところで鋳造との繋がりが見られました.さらに,昨年9月の北海道胆振東部地震に伴う全道停電の際,十勝管内で唯一自家電力にて生乳の受け入れと生産を続けられた工場であり,災害時の危機管理体制も学ぶことができました.次に,パナソニックスイッチングテクノロジーズ(株)を訪問し,ハイブリッドカーなど大電力を使用する自動車が増える中,需要が増すリレー等の生産工程を見学しました.小型精密製品の量産ということで,恒温環境やクリーンルームを必要とするなど,鋳物とは管理体制の異なる生産現場を見ることができました(図1).見学終了後は,帯広市内で交流会を開催し,情報交換とともに親睦を深めました.
学生向けの見学会では,やはり十勝地区の主力産業に関わる明治(株)の十勝工場をはじめ,その農業・酪農業を支える農業機械メーカーの東洋農機(株),十勝唯一の鋳造メーカーである(株)進藤鋳造鉄工所を見学しました.学生にとっては幅広い業種に触れることのできる機会となったのではないでしょうか.
また,10月には旭川高専の高専祭にて鋳造体験コーナーを用意し,参加者にホワイトメタルでネームプレートを鋳造してもらいます.今年も子供から大人まで多くの方に鋳物の体験をしていただけることと思います(図2).
今後も若手技術者支援とともに鋳造の広報に努めて参ります.
連絡先
(公社)日本鋳造工学会 北海道支部YFE
堀川 紀孝
〒071-8142 旭川市春光台2条2丁目1-6
旭川工業高等専門学校
TEL/FAX: 0166-55-8025
E-mail: horikawa(a)asahikawa-nct.ac.jp *(a)を@に変えてください.