Vol.92No.6 YFE自己研鑽活動
関西支部YFEでは,鋳造分野のみならず,鋳造から少し離れた異業種を含めた企業・施設への訪問を通して,異分野を含めた知識・技術を学ぶことで自己の知見を広める活動を実施しています.今回は,昨年度行ったYFE自己研鑽活動についてご報告いたします.
○関西支部YFE自己研鑽活動
今回は2019年12月18日に,最新の研究施設訪問として,神戸総合技術研究所様,金属新素材研究センター様を訪問させて頂きました.神戸総合技術研究所は,株式会社神戸製鋼所の技術開発拠点であり,事業ユニットの競争力を強化するための研究開発に加え,将来に向けた新製品,新技術の先導研究を行うための施設です.施設内には「KOBELCO Co-creation Laboratory(KoCoLab)」が開設されており,神戸製鋼所のコア技術とお客様のビジネスが触発し合う場所としても活用されています.
当日は,初めに技術企画室の千田剛様より,神戸製鋼所の概要説明を頂いた後,KoCoLab内を見学させて頂きました.KoCoLab内は,神戸製鋼所の事業分野である素材・機械・電力の3本柱に貢献する21のコア技術を紹介する「コア技術ゾーン」,自動車,航空機,エネルギーそれぞれの分野での技術開発の取り組みを感じることが出来る「重点分野ゾーン」に分けられており,それぞれを見学させて頂きました.また,施設2階には自由闊達な議論が可能なオープンディスカッションスペースや,書籍やコーヒーを楽しめるスペースなどもあり,働き方改革の先端を行く様子も伺うことができました.
午後から訪問させて頂いた金属新素材研究センターは,兵庫県立工業技術センターの姫路サテライトであり,運営を兵庫県立大学が行っている施設です.兵庫県内の研究機関,企業のみならず,日本各地のコンソーシアム参加を期待されている施設でもあります.
見学は初めに産学連携・研究推進機構の東間清和様より全体説明を頂いた後,合金・金属粉末作製,分析装置,金属用3Dプリンターといった施設内の最新設備を見学させて頂きました.同研究センターには電子ビーム型とレーザービーム型の2種類の金属用3Dプリンターが導入されており,それぞれの3Dプリンターの違いや特徴を学ぶことができました.また,導入されているレーザービーム型は「3D造形」と「切削加工」を組み合わせたハイブリッド型で,金属積層と高速・高精度エンドミル切削加工を繰り返すワンマシン・ワンプロセスで造形が行われており,最新の技術を見学することができました.
今回,お忙しい中自己研鑽活動にご協力頂きました,神戸総合技術研究所様,金属新素材研究センター様に,この場をお借りして改めて感謝申し上げます.
連絡先
(公社)日本鋳造工学会 関西支部YFE
堤 親平
〒559-0023 大阪府大阪市住之江区泉2丁目1番64号
株式会社栗本鐵工所
E-mail: s_tsutsumi(a)kurimoto.co.jp *(a)を@に変えてください.