どうして,アルミニウムダイカストでは,ADC12が多用されるのでしょうか.

ダイカストの場合,その目的が ①大量生産 ②低価格(低コスト) を目的としております.それにより自動車,電気製品など大量消費財に多く利用されております.

①②を実現させるためには, a)大量一括生産・購入による低価格化(1kg材料を作るよりも1t作るほうがkg単位安くなりますね) b)単一生産ラインによる低価格化(複数の合金に対応するだけでも溶解炉・保持炉が複数必要になります.

合金の入れ替えだけでも時間・人などのコストがか かってきてしまいます.合金管理も煩雑になります) が生産上必要になります.使う側からしても非常に強度が必要な箇所や靭性を必要としているところは限られており,ある程度の強度があれば良いところが多く を占めています.

このようなところからある程度の強度,鋳造性をもった合金であるADC12合金が生産する上でも使う側からしても用いられるようになったと思います.当 然ADC12合金ではなく,ADC10合金でも良いわけですが,日本では大多数の自動車メーカーがADC12合金を採用していたため,いつのまにかすべて ADC12合金に統一されてしまったようです.