昨今の地球環境問題の深刻度は益々深まりつつあり，2015年12月のCOP21で採択された「パリ協定」，2021年4月の「気候変動サミット2021」など，温室効果ガス削減への動きが具体化しつつあります．日本も温室効果ガスの排出量を2030年度までに2013年度比で46%削減することが表明されました．また，2021年に経済産業省は，2050年までに二酸化炭素の排出量をゼロにする「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を政策として発表しました．
　鋳造業は，溶解・製造プロセスにおいて多くのCO2を排出しているので，今後のカーボンニュートラルの取り組みは，製造に大きな影響を与えます．
　そこで，学会としても第3期長期ビジョンプロジェクト（推進テーマ）の一貫として，カーボンニュートラルに関して検討するために「カーボンニュートラル特別研究部会」を発足することとなりました．
　本研究部会では，具体的には，
・材料のリサイクルに関する研究（素材の成分調整，サプライチェーン構築など）
・省エネルギー対策に関する研究（エネルギー回収法，低コスト溶解設備の開発など）
・新エネルギー供給設備に関する研究（アンモニア，水素などを使用する設備開発など）
に関して，大学・企業ネットワークを活用したカーボンニュートラルの基礎研究を推進します．

1. 鋳造業界におけるエネルギー使用量調査結果
　　(一社)日本鋳造協会　　吉沢 亮
2. 鋳造工場におけるカーボンニュートラルの取り組み最新動向
　　日産自動車（株）　　林 憲司

1. 鋳造工場におけるカーボンニュートラルの取組み最新動向
　　トヨタ自動車（株）　　古川雄一
2. 脱炭素社会に向けてキュポラメーカーが取り組んでいること
　　（株）ナニワ炉機研究所　　村田博敏