シェルモールドやコールドボックスの砂の充填シミュレーションにはどんな手順,手法が用いられますか?

シェルモールドやコールドボックスの砂の充填ではブロー造型が多く使用されます.ブロー造型の場合,鋳枠あるいはコアボックスへ砂を運ぶ工程と,砂の配列が変化して粗から密になる砂の圧密化工程とに分けて考えると良いでしょう.

まず砂を運ぶ工程ですが,ある速度と圧力をもって砂と空気が移動するため,流体の方程式を解くことが一般的で,砂と空気が存在するため固気混相流で解く必要があります.固気混相流の解き方には,砂も空気も流体として取り扱うモデルとして,(1)砂と空気が混ざり合った状態で1つの流体とみなす1流体モデル,(2)砂と空気それぞれの流体として解く2流体モデル,(3)砂は固体として,空気のみを流体とする1流体+砂粒子モデルがあります.流体の運動を解くときは,ナビエストークス方程式を支配方程式とすることが多く,また固体の流動を計算するときには流体から受ける抗力を計算して運動方程式を解く手法が多く使われています.

次ぎに,砂を圧密化する工程ですが,これも(1)砂と空気が混ざり合って1つの物体(連続体)であるとして,応力-ひずみ関係を有限要素法などで解く手法と,(2)砂を素直に球形の固体(粒子)とみなして離散要素法(個別要素法)で解く方法があります.

計算機能力(主に計算速度とメモリ容量)から,また流体力学や構造力学の既存ソフトを転用できるメリットを活かし,オイラー系連続体解析が主流となっています.一方,最近はコンピュータ能力向上(GPGPUやクラウド並列化)からラグランジュ系離散化手法が注目され開発が進んでいます.

なおソフトウェアのポスト処理では砂粒子を見せたり隠したりすることが容易なので,グラフィックを見ただけで解法は判断できませんので注意が必要です.

(『鋳造工学』92巻3号掲載)