ダイカストのプランジャーチップ潤滑剤の塗布で注意しなければいけない点を教えてください.

ダイカストでは高速高圧で充填するプランジャーチップ,スリーブには大きな摺動抵抗が掛かるため,それを低減する潤滑剤の役目は重要である.

種類を 大別すると水溶性,油性,ペレットの3種類がある.大型マシンはチップ表面積も広く,荷重も高いので,より潤滑性が高い油性の採用が多い.しかし,油は気 温による粘性変化が大きく夏冬での吐出量が変化したり,溶湯に巻き込まれてガス化して鋳巣や湯回り不良になったり,火災の危険性などの問題もあるので,負 荷が少ない小型マシンの場合は扱いやすい水溶性が採用されている.ペレットは新しいタイプで小型~中型に使われ始めており,顆粒状の樹脂などで構成される ので,油よりガス化しにくく潤滑性もやや高く油性と水溶性の中間的なメリットがある.

その他には,スリーブ内での溶湯凝固を少なくするため,断熱性の高 い無機粉と粉状の樹脂やワックスを混合した粉体潤滑剤が使われることもある.各種類には,高温潤滑性を強化するため,黒鉛,二硫化モリブデン,テフロンな どの個体潤滑を添加したものがある.

塗布方法にも違いがあり,ガス化しやすい油性ではスリーブ外部に出たチップ上端に滴下して溶湯への混入を避けるが,水溶性,ペレットタイプは給湯口 からスリーブ内にスプレー,投入する方法が取られる.そのため,射出部周囲の汚れは,油性は多いが給湯口内に入れる水溶性,ペレットは少ないなど,環境面 から選択される場合もある.