鋳鉄の生型ラインと比べて,アルミや銅合金の生型ラインでの砂の管理ポイントなど,どういった所に違いがあるのでしょうか?
生型砂の管理ポイントは材質に関わらず,解枠後の砂処理前半では中子ガラや玉金等の異物除去に重点が置かれます.その為に溶湯に接触した乾態砂と非接触の湿態砂の均一化をすべきです.また砂処理後半では砂冷却によってベントナイトの機能を発揮させる準備を行い,水分添加した後にベントナイトの層間に水分子を吸着させる「熟成」を行なうことが重要です.
アルミの場合には溶湯温度が低いことから砂が焼けておらず回収砂に水分がありますので熟成しやすいのですが,異物除去の際に砂付着対策が必要です.また溶湯の流動性が高くばりが差しやすいことから,砂の抗圧力を上げ過ぎると砂の流動性が阻害されて上下型間に空隙ができたり,微細な型の転写性が損なわれますので抗圧力に注意が必要です.
銅合金の場合には,比重が大きいことからさし込みが多発しやすく,小物部品が多いのできれいな鋳肌が求められます.この為に砂を清浄にして健全な鋳型を作らなければなりません.その為にはバイブレーティングスクリーンを多用しても異物を除去しましょう.
アルミ,銅ともに磁選されませんが,設備機器から鉄分が混入する場合がありますので磁選機の設置をお勧めします.
(『鋳造工学』97巻11号掲載)

