HPDCの真空弁にはどのような種類がありますか?

ダイカストの真空弁は,金型キャビティや射出スリーブ中の空気を吸引するために設置した真空配管を遮断して高速射出される溶湯の侵入を防止するために用い ます. 弁の動作はバネ,油圧,空圧や電磁力などのアクチュエータを用います.

真空弁は,動作を電気信号で操作するタイプと溶湯の圧力を利用して動作するタイプに 分類できます.電気信号で動作させるタイプには,マシンのシーケンサーを用いるもの,溶湯をキャビティ内で検知して電気信号を取り出すものがあります.溶 湯の圧力を利用するタイプには,弁が溶湯の圧力を直接受けるものとレバーを介して弁を閉じるものがあります.

どの真空弁も,弁に溶湯が侵入するトラブルが問題となり,その防止のために工夫が施されています.シーケンサーで動作する場合は,弁が閉じたことを検知し てから高速射出するインターロックで弁の詰まりを防止しています.いろいろな弁の違いは,弁の動作速度を早くする方法で主に特徴付けられています.

真空弁に連結するランナーの形状設計も重要なトラブル防止策であり,弁を用いる各社でそれぞれ工夫して使用しています. 特殊なものでは,チルベントを用いて溶湯を凝固させて,真空遮断するタイプの弁があります.