ダイカストにおいて製品の一部が金型に残るトラブルが発生しています.そのたびに鋳造を止めて溶解除去していますが,何か良い防止方法はありますか?

このような現象は,金型内に残っている部分の離型抵抗が押出し力や製品の破損した部分の強度よりも高い場合に発生すると考えられます.

一般的に離型抵抗よりも押出し力が高くなるように金型は設計されますが,離型抵抗は金型の形状や表面状態,使用している離型剤等に大きく影響され ます.まず,製品形状で押出し方向に対しアンダーカットが無いこと,次に,製品が残る部分の金型表面状態にて焼き付きなどが発生していないか,焼き付きが あれば対象部への離型剤等が塗布されているかを確認してください.

また,製品離型時に製品が押出し方向に対し斜めになっていないことも重要です.製品が破損する部分は表面状態に異常は見られないが,他の部分で製品が引っ掛かり,離型時に製品が斜めに押し出されるため,結果としてアンダーカットになってしまう場合もあります.

最後に,対象部位の抱きつき力を検討し,最適な押出し力や押出しピンの数を設定する事を推奨いたします.