新年のごあいさつ
~新年のごあいさつ~
“New Year Greetings”
公益社団法人日本鋳造工学会会長 岡田正道
Masamichi Okada
あけましておめでとうございます.2025年の年頭を迎え,新年のお喜びを申し上げるとともに日頃より日本鋳造工学会の活動にご理解とご協力を賜り厚く御礼を申し上げます.
昨年は国内外で特に災害,紛争等で苦難の一年でした.国内では能登半島地震,また各地での豪雨による災害があり,被災された方々,関係の皆さまへは心からお見舞い申し上げます.国際情勢的ではウクライナ問題は収束せず,中東も戦禍に見舞われ,諸原材料・エネルギー・物価の高騰など私たちの産業・生活を取り巻く環境は非常に厳しくなっております.
私たち鋳造業界にとっても厳しい状況ではありますが,一方で多くの方々が挑戦と成長に挑まれています.会員の皆様の不断の努力と情熱に,深く敬意を表したいと思います.
日本鋳造工学会は,創立からこれまでの道のりにおいて,多くの先人たちによって知恵と技術が積み重ねられてきました.その歴史は,ただの時間の経過だけではなく,先端技術の発展や新たな材料の開発,そして鋳造プロセスの革新を通して,産業界や社会に寄与してきた証でもあります.私たちは,これらの歴史的な成果を忘れず,次世代に引き継いでいかなければなりません.
それらを背景として,5年10年後の将来のビジョンを描き,更なるシンカ(深化,新化,進化)を提案し,各種事業や活動を推し進めてきております.そのスローガンとして提唱してきた新しい風について,これからの時代,鋳造にとって2つの風を吹かせ,その風に乗るチャレンジが大切だと考えています.そのひとつは『新しい分野や製品を生み出していく風』,もう一つは『これまでに培った技術を時代の変化に順応させていく風』です.
『新しい分野,製品を生み出していく風』は,例えば電動化,航空機,医療等の新しい分野,製品へ鋳造の持ち味・良さを活かし,背反を創意工夫により克服,具現化するチャレンジです.また『培った技術を時代の変化に順応させる風』の代表例は,省エネ,カーボンニュートラルなどへの時代要請への対応であり,効率化,エネルギー転換などのチャレンジです.これらによって鋳造は長く世の中に貢献でき,日本のモノづくりを支えていくことができると考えています.
さて,その風を起こすのはひとえに『人』であります.そして,それらを具現化すべくそれぞれの持ち場立場でチャレンジしている人たちがいます.日本鋳造工学会はそれらの人々に光をあて鋳造の魅力や面白さを発信していく所存です.また将来を担う,若い技術者の育成や学生への啓発のために,鋳造技術の素晴らしさを広く伝え,教育や普及活動にも力を入れていきます.鋳造の魅力を伝えることで,より多くの人々がこの分野に興味を持ち,参加されることを期待しています.産業界だけでなく社会とのつながりを一層強化していくこと,会員の皆様へ利便性の高いサービスを提供していくことに志をもって活動していきます.
新たな年が皆様にとって素晴らしい一年となりますよう心より祈念いたします.日本鋳造工学会は皆様と共にさらなる発展のために取り組んでまいりますので,本年もどうぞよろしくお願い申し上げます.
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受付日:2024年12月16日
トヨタバッテリー株式会社,(公社)日本鋳造工学会会長 TOYOTA BATTERY CO.,LTD