よくアルミの値段はと聞くとLMEがうんぬんと話されることがありますが,LMEとはなんですか?

LMEというのは,London Metal Exchangeの略で,日本語ではロンドン金属取引所といいます.LMEはイギリスのロンドンにある世界最大規模の非鉄金属専門の取引所です.1877年に金属取引専用の施設を保有するMetal Market and Exchange Co. (MME)が設立されたのが始まりで,1882年から先物取引が開始され,1987年に設立されたLondon Metal Exchange LimitedがMMEをそのまま継承する形で所有しました.2012年には香港取引所(HKEX)に買収され,その傘下に入りました.

LMEは,銅や鉛,亜鉛,ニッケル,すず,アルミニウムなどの非鉄金属取引の世界的な中心地となっており,その取引価格を公表することにより,非鉄金属の国際価格をリードする役割を担っています.具体的には,世界のベースメタル生産者,在庫保有者,消費者,トレーダーなどを有機的に結び付けることで,ベースメタルの金属市場価格の提供だけではなく,ベースメタルの価格変動リスクに対するヘッジ機会の提供,ベースメタルの価格変動によるトレーディング機会の提供,LME公認ブランドのベースメタル保管施設の提供などの機能も担っています.LMEには「LME指定倉庫」というものがあり,現在世界の38か所に約700存在します.この倉庫の在庫変動は各地の需給を反映し,LME価格にも反映されるため,投機的な価格変動や在庫操作の動きが出てくることもあります.(iFinance 金融情報サイト HPより)

(『鋳造工学』91巻4号掲載)