ダイカストのエアーベントは厚いほどガス抜きの効果が高いと思いますが,どの程度まで厚くすることができるのでしょうか?
日本ダイカスト協会の『ダイカストの標準・金型編』には,「キャビティ内の空気やガスを金型外へ排出する方法としては,一般的にオーバーフローおよび 0.1~0.2mmで薄い板状のエアーベントが用いられている」と記載されています.
エアーベントは一般にこの厚みの範囲で用いられていますが,ダイカス トのガス抜きは厚みのみに規定されるのではなく,その位置が重要です.一般的には以下のように考えます. 1)溶湯が最後に充填される位置にする 2)湯口からなるべく遠い位置にする 3)溶湯が直接衝突する壁には付かない 4)鋳巣の多く出ている場所に付ける さらに大量のガス抜きを目的としたチルベントがあります.
チルベントはベントの形状が波状になっており,ベントの厚みは一般に0.4~0.6mm程度に設 定されています.チルベントブロックの材質や冷却の設置,溶湯の充てん速度,ベントの長さおよび巾の条件によっては,ベントの厚みをさらに厚く設定するこ とができます.