木型の改造はコスト管理上,どの業者さんも普通に行っている事とは思いますが,改造するにあたって気をつけなければアドバイスをいただけると非常に助かります.

自硬性法で生産される小ロット品においては,設計変更等での木型改造は避けて通ることが出来ない対応だと思います.一方で,部品供給等でエンドユー ザーから設計変更前の素材供給を求められることもありますので,各社ともご苦労をされておられることと思います.

そのような木型改造の各社共通的なガイド ラインは無いように思いますが,弊社での対応を紹介することで回答に替えさせていただきます.

弊社でも,貴社と同じように,設計変更による木型改造対応は日常的に発生しています.また,一つの木型で設計変更に伴う複数図番へ対応するという 兼用木型を多数有しております.設計変更による木型改造の必要性があった場合,まず,「入子」による兼用化を検討します.これは,木型費の削減を目的して 必要最小限の部分交換方式による兼用化を図るものです.

入子化における具体的な木型製作方法(例えば,アリによる入子固定等々)は,木型業者さんがプロと してご承知でしょうから,木型業者さんに相談されることが早道であろうと思います.その際,最も重要なことは,兼用木型における入子間違いをどのように防 ぐかです.

弊社では,木型本体に入子位置と図番を明記し,更に兼用木型一つ一つに改造来歴を記録したカルテを作成し,図面と共に保管しております.兼用木 型の注文を頂いた場合には,木型管理者が受注伝票の図番を確認し,カルテと照合しながら入子を準備するという仕組みを作っております.また,木型倉庫から 造型場に木型を搬入する際に,木型管理者と造型責任者が図番と入子の照合をするというダブルチェックをしております.

いずれにしても木型改造による木型兼用化においては,改造の手法よりも兼用化による図番と木型形状の間違いをどのように回避するかという仕組みづくりが大切だと考えます.ご参考になれば幸いです.